硫黄島からの手紙

イーストウッドらしいヒロイズム否定とリアル指向。それでもちゃんと見せかたを心得てて2時間ダレさせないのがさすが。栗林中将はカッコよく描かれているけど、それでもどうしようもないのが戦争なのだな。
http://okigunnji.com/2006/08/post_148.html
大東亜戦争に関しては一応予習していたんだけど、そのまんまが映像として描かれていたよ。

あの戦争は何だったのか: 大人のための歴史教科書 (新潮新書)

あの戦争は何だったのか: 大人のための歴史教科書 (新潮新書)

日本本国と、戦場でのギャップが強烈なのは前作と共通だけど、描かれかたは圧倒的な差があるよなあ。戦争資金集めのプロパガンダがテーマの前作に比べると、全てが奪われる日本じゃあ。しかし戦地にいる息子への家族の愛情は共通であるところは一緒なわけで、そこがせつない。


果たして戦争はすでに時代劇となってしまってるのだけど、これが全て実際にあったことだという意識を我々はどこまで持っているのだろうか。だいたいが自分の世代であるとこの団塊Jr.だって戦争の産物であるわけだし。
日本帝国軍の愚かさは予習の2冊でも、この映画でも十分に描かれているわけだけど、肝心なのはなぜ、どうして戦争になったのか、ということだし、それを考えないんじゃ何の意味もない。要するに戦争の愚かさというのは軍人の愚かさではなく、人間の愚かさなんであって、そこを他人に責任転嫁してるってのは何も考えてないのと一緒なんだよな。実際あったこと、というのはこれからも起こりうることなのだ。


そういえば今国会も終わったけど個人的には教育基本法改正も防衛省昇格も賛成派なんでまあ満足。受験シーズンだってのに駅前でビラ配りに精を出してた日教組教員ザマー。