PLANETS Vol.2

http://www.geocities.jp/wakusei2nd/
読了。ボリュウムたっぷりでお買い得感あり!
平成仮面ライダーの正義の項の文句は書いたけど、全体でいえば面白かった。たしかに「野ブタ。をプロデュース」を観たくなるなあ。批評の目的がその対象の作品に興味を持ってもらうことだとすれば、まったく大成功。


メイン特集の「ゼロ年代オタク文化地図」、竹田アニメ・平成仮面ライダーライトノベル・ジャンプ漫画というセレクトはなかなか的を射ていると思う。ネットの話題はコラムのほうにいっちゃったけど、これも絡めていたらどうなっていたか。とはいえ近年のオタク事情を、オタクの概念それ自体が崩れているのにまとめるというのは確かに難しいかもしれない。そう考えるとサブカルというジャンルのほうがオタクっぽいネタの全体を包括出来る言葉になっているのはちょっとした皮肉。ここ*1にある辛口ライターって更級修一郎?
結局オタクの終焉はみんな思っていたとしても、それを岡田斗司夫が言うから事件なのであって、それ以外の人が言っても別になんでもないんだよなあと思った。あとセカイ系に関して個人的にそんなに思い入れやシンクロ感がないので、そのへんの話題は引いた目線で楽しめた。
平成仮面ライダーの部分がイマイチだと思ったのはライター陣がシリーズを全部観てなかったり、白倉Pインタビューでインタビュアーが思想的なことを引き出そうとしているのに対し、白倉Pが番組のことしか答えていないせいか。これメールインタビューじゃなければ臨機応変に対応出来たんじゃないかという気がする。


本全体を貫く「それをケナしてるあんたの立場ってどうよ?」という問いかけ自体は鋭いし面白いと思うけど、個人的にはそんなにピンと来ない。多分もう10年くらい若かったらいろいろ考えたかもしれないし、それはそれで楽しいと思う。なんてことを考えると俺も老けたなあとか思ったりして。この本のメインライターはみんな30前だもんなあ。


要するにメタな視点を持てということか。だけどそれは老けろというのと同じことじゃないだろか。こうして引いた視点から眺めるのは面白いけど、同時にその渦中にいたらいたで面白いだろうな、とも思う。非モテとかね。この本の主張でいけば、それで救われるのって安すぎない?ほんとにそれでいいの?てとこか。


そのうち中野タコシェ*2に置きそうな感じなので読める人はオススメ。

*1:http://www.st.rim.or.jp/~nmisaki/ 5月27日。そういえばビブロスを買ったのはアニメイトだけど、買い取った金額は億単位だとか

*2:http://www.tacoche.com/