大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説
背景フルCGというのは、SF映画に相性がいい。
シナリオはわりとシンプルに、それでいてこまめに盛り上げるポイントを作ってて、子ども向けらしく飽きさせない作り。
今回の映画はとにかくワイヤーワークを使用したアクションが良かった!空も飛べれば手からビームも出る宇宙人たちが、人間と同じ格闘術で戦うわけない*1んであって、そのへん意識したアクションを見せてくれるのが嬉しい。ベリアルもとにかく強く!悪く!が魅力的に描かれていたと思う。
ただ再生怪獣がやっぱり弱いのと、やられるとCGっぽくパーティクル拡散でシュワシュワ消えちゃう表現はちょっと残念。タイ映画みたくもっと残酷にいきましょうよ!
マンとセブンとメビウスが怪獣軍団と対峙するシーンで、手前にゼットンやパンドン、インペライザーといった最強レベルの怪獣が並んでて、「うわヤベエ!」みたいなドキドキがあったのに、あっさり倒されてしまうのはわかってたとはいえなんだかこうスッキリしないものが……。
ラストバトルも、君の力が必要だ、とわざわざ拉致したレイよりもゼロのほうが目立っちゃってるのはどうかって気がする。レイいなくてもなんとかなりそうじゃね?
もちろんおもちゃの関係もあるし一応レイは居る必要があったんだけど役割的なバランスが悪いような……。どうして円谷は、メビウスでいい仕事をしていた赤星政尚をこういう大集合企画で起用してくれないのかしらん。
あと力を指向して悪に染まってしまったベリアルと対置される存在として、同じように戦いと力への欲望を持ちながら正義の側にとどまっているレイとゼロは二人とも同族であり近しい存在であると思う(と同時に「強さ」というのはすべての男の子が持っている根源的な欲望でもある)のだけど、その辺をあまり深くまたは魅力的なセリフで書いてくれなかったのがちょっと残念。セリフだけでもいいからうまく膨らませれば腐女子人気も取れそうなネタだと思うんだけどなあ。「レイ……お前を俺の色に染めてやる……!」みたいな。
てな感じてちょこちょこ不満点はあるけど、総じてすごく楽しめる出来。昔てれびくんで読んだウルトラの歴史が初めて公式にビジュアル化したってだけでもう!完全におっさんホイホイですな。
それはともかくとして、劇場の大画面だとウルトラ戦士たちの目の覗き穴がすごく気になる……。
特にレオとアストラ、父母が。80以降のデザインを見てると覗き穴をできるだけ目立たないようにがんばってるし、やれば十分にできるはずなので、劇場用にデザイン変更してもいいと思うんだけどなあ。デザイナーにしても、子供が似顔絵書いたときに黒目があるウルトラマンなんて見たくないんじゃないかって気がするけど。手袋部分のチャックも同じで。このへんはやっぱり変えるとオールドファンがガッタガタ言うんだろうか?
俺みたくあの穴が子供の頃から気になってしょうがない人も結構いると思うんだけど!