オールライダー対大ショッカー

大ショッカー出てこいや!のヤクザなキャッチフレーズとは対照的に、なんだか劇場版カブトと同じような、全然男臭くない印象の映画。
というのも、シナリオが主人公の感情の流れ、周りの人間との関係が中心であり、それ以外(世界観とか士の首領としての悪事の責任とか)は全然描かれていない。そのへんが女性的な印象を受ける原因か。セカイ系


開始早々ライダー同士の位づけバトルという男の子の好きそうなネタをやってるのにあっと言う間に消化されちゃうし、世界が滅びる直前だろうが一番大事なのは妹との関係……。うん、やっぱりカブトっぽい。ていうかこれが『白倉イズム』なんじゃないだろーか。
主人公と社会の関わりや世界観を描かざるを得ないウルトラと比べて、プライベートで戦っているライダーのほうが、個人間のいざこざだけでシナリオを成立させ易いし、そういう意味でも金も時間も節約できる白倉Pは優秀なのだなあ。(東映という会社の作品の作り方がそうだ、という言い方もできるが)


それはさておき映画ディケイドはTV本編と同じく、そっくりさんライダーたちがディケイドのおまけとしていっぱい出てくる作品なんだなー。ライダーが何人出てもにぎやかし以上の意味はなし。
こんな冷淡な反応をしてしまうのは、今年プリキュアオールスターズを観てしまったせいなのかもしれん。
プリキュアのサントラの解説文は「プリキュア好きで良かった!」から始まるのだけど、この映画を観てライダーファンは「ライダー好きで良かった!」とは思わないんじゃないかな。スクリーンで勢ぞろいが観れただけで満足、というのはナシで。