ストライクウィッチーズがつまんないのは……

夏アニメで一番期待度とギャップがあったのがコレ。
1・2話の脚本で失敗してるのと、先発のスカイガールズと比べて……というのがあるんだよね。
何かというと「世界観」のハナシ。


ローレグパンツまるだしの女の子が第2次大戦期の飛行機の部品を足にくっつけて怪獣と戦争する、という男の子の夢の奇天烈世界だっていうのに、世界観の説明がろくにないというのが個人的にはかなり辛い。ちゃんと世界設定担当がクレジットされてるのに……。
1話では、ウィッチドクターの娘の主人公が、魔法の潜在能力があるというので軍にスカウトされるわけだけど、作品世界において魔法がどういうものなのか?という肝心の説明はろくにされない。
医者は魔力のあるものだけがなれるのか?それは遺伝する能力なのか?そもそも治癒の力と攻撃の力は同じなのか?魔力は万能なのか?女だけが持つ力なのか?
これらすべてが完全スルー。
同じように主人公がなぜ軍に入らないのか?についての説明も曖昧で、単純に戦うことが怖いのか、敵と戦うことが怖いのか、父を奪った戦争そのものが嫌なのか、田舎から出たくないのか?
がイマイチよくわからない。わからないことばかりの話に入り込めるわけがない。


あとキャラクターの描き方があまりにもテンプレ過ぎでつまんない、描き方が薄いというのもあって好きになれない。主人公の性格を表すエピソードが木に登った子猫を助ける……なんてパターンすぎないか?坂本少佐は一月費やして宮藤をスカウトしに来たのにこんな態度でいいのか?とか、宮藤の父親のこと知ってるんだから初めから話せよ!とか……。やっぱり1話はもっと練り込んで作るべきだったのでは。
うがった見方をすれば、監督は1話冒頭の戦闘シーンの長回しで世界観を説明出来た気になってしまったんじゃないかな。絵描き上がりの監督ならそう考えてもおかしくないと思う。


3話以降の展開も、いわば学園もの+戦争*1というおいしいネタなのに、なんか盛り上がらないのはいろいろ説明不足だからという気がしてならない。男キャラ・年上キャラがろくに出ないってのも、作品世界を狭めているようにしか思えないし。
そもそもシリアスでやりたいのかコメディにしたいのかどっちなんだよー。


いろいろグチを書いてるけど、これ全部スカイガールズでは全部クリアされてたとこなんだよね。同じように露出の多い格好した女の子がメカで空中戦しちゃう作品なのに、そういうあり得ない状況を、いちいち考証・説明(セリフ・ビジュアルともに)してあり得るかも?と思わせるSFの楽しさ。独自の世界観がある作品なら、まず作品世界がわかってこそキャラクターが理解できるし好きになれるのだ。
だもんでストライクウィッチーズが別スタッフだったら……と思うと残念でならなかったりして。期待してただけに。wikipediaを見ていろいろ妄想したほうが楽しい気がする……。

*1:ガンパレやらフルメタやら。近作だとコードギアス