“環境問題のウソ”のウソ

人気があるようで図書館では結構な予約待ち。やっと借りられたよ。

“環境問題のウソ”のウソ

“環境問題のウソ”のウソ

と学会山本弘会長のツッコミ本。今回は武田邦彦教授の「環境問題はなぜウソがまかりとおるのか」&「環境問題はなぜウソがまかりとおるのか2」を徹底的にツッコミ!
「環境問題のウソ」は地球温暖化ダイオキシン騒動、ペットボトルリサイクルについての間違いに関して書かれている本なのだけど、その根拠となるデータの誤りや、筆者の武田教授の主張の矛盾をいちいちちゃんとしたデータを挙げて批判している。当たり前だけどちゃんとしたデータがあるほうがはるかに説得力があるし、納得出来る。


実際自分も山本会長と同じように「環境問題はなぜウソがまかりとおるのか」を読んで「な、なんだってー!」と思ったクチなので、この本に書いてあることを読んでそれが間違いだとわかり自分のメディアリテラシー能力もまだまだだなあと思ったりして。データの出典が書いてない文章は疑え、っていうのは重要ですな。
ペットボトルは2割しかリサイクルされておらず、他は燃やされている、という武田本の主張が、実は武田教授自身で考えたデータをもとに産出したものでしかなく、実際はペットボトルがリサイクル原料として輸出さえされているという事実。武田教授との往復メールの内容や武田教授が削除したHP*1の内容までまでバッチリ紹介されていて、この本を読む限り武田教授にまったく分がない。武田教授は決して悪い人間ではないのだろうが、自分の主張のためにデータを捏造するのはフェアではないというのはまったくの正論だ。
実際のところ、リサイクル関係には容赦のないツッコミが入れられているのだが(そのへんの叩き加減が山本会長のツッコミ本をそんなに好きにはなれない原因ではあるのだが)、京都議定書のCO2削減のの基準年がヨーロッパに有利な1990年に設定されている点や、ダイオキシンがマスコミが騒ぐほど有害な物質ではないという点、緑地を増やしてもその植物が死ねばそのCO2が元に戻るので緑地を増やしてもまったく意味がないという点についてにはツッコまれてないので、そのへんは武田教授の主張を山本会長も認めているのかもしれない。


さらに「環境問題のウソのウソ」に対する批判もあって、それに対する解答は山本会長のHP*2載ってるので気になる人は読むと面白いと思う。俺は単純にデータの裏付けがある山本本のほうを信じるよ。武田教授のwikipediaも参考に。*3


環境問題といってもそんなにたいしたきっかけがあるわけじゃなくて。最近になってプラスチックゴミが23区では燃えるゴミっていうのを知ってアレ?って思ったんだよね。自分が住んでる日野市だとプラスチックゴミは燃えないゴミなので。
怪しげなゴミを燃やすとダイオキシンが出るんじゃ?とか、レトルト食品の袋とかは生ゴミ含みなのに燃えないゴミでいいのか?とか思ってたので、他の地域だと燃えるゴミで出していいっていうのを聞くとなんか違和感があるんだよね。リサイクルって言っても、ほんとにそれが正解なの?っていう疑念がふつふつと。


まあそんなわけで、「環境問題はなぜウソがまかりとおるのか」

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

トンデモ本扱いで良いと思う。
でもこういう「一般に思われてることが本当は違いますよ!」っていうのはウケる要素ではあるんだよな。この本も武田教授の「ペットボトルはリサイクルされてない」っていう主張をそのまま紹介している。
今さら聞けない環境問題のウソ・ホント 100問100答

今さら聞けない環境問題のウソ・ホント 100問100答

だから、データ出典のない本は話半分で聞いとけば良いんだって!


という流れでもう一冊。