電王の人気って

ところで消費のされ方の話だけど、他の平成ライダーより電王は「イベント」的に消費されたような気がする。ブレイドのときのネットの盛り上がりとは別な、腐女子的に、という意味で。
それが経済的にデータとして現れてるからちゃんと東映なりバンダイからリアクションがあるんだよね。オンドゥルネタで盛り上がる人や子供はDVD買わないしネ。
イベントであれば、キャラが第一で世界観やシナリオのツジツマがどうこうはそんなに重要じゃないし、ていうか邪魔なくらいだし、というのは以前書いたとおり。キャラが好きなら良いんですよ!というのは、ひっくり返せばキャラが好きにならなきゃそれで終わりなんだよね……。
他は特撮的に「ビジュアル」が好きっていうならそれでも良いけど、自分はそこに魅力を感じなかったので……。ビジュアルは子供にとっては一番大事なファクターなので、そこが子供にウケたというのはわからないでもないけどさ。大人のカッコイイはしょせん「どこかで見た」カッコイイだし。なりきりの容易さが最重要というのはわかるけど、別にコスプレしようとも思わないし。


そう考えると自分は平成ライダーをSFととして観ているのかもしれない。世界観に惚れるというのがあって、男オタクはそういう視線で観てると思ってた*1んだよね。だから「電王ファンの男オタクがわからない」のだ。響鬼とかみんな世界観萌えで観てたんじゃないのかー?


あと子供ウケといえば、TV放映時、プロデューサーがインタビューで「良太郎の優しさがウケた……」という内容を喋ってたけど、そんなワケないのだ。子供からすれば「ハナクソハナクソ」言ってる着ぐるみキャラがドタバタ活躍するのが面白いに決まってるのである。良太郎なんて変身アイテムだ。でもPDの話をそのまま受け取る人っているんだろうなー。自分が惚れた男が悪い男のわけがないっていう、認知的不協和ってやつだ。
そのへん先週書いたみたいに要素で分類すると自分の好き嫌いが見えて結構おもしろいと思うんだよね。


ということで平成ライダーを全然客観として観れてないワタクシですが。
完全に客観として観て面白がってるのってなんだろう?「らき☆すた」とかかな?同性が主人公だと客観視が難しいのは女性と同じだと思うけど、でもらき☆すたはどちらかといえばもともと男性向けコンテンツなので、もとが男児+その母親向けコンテンツである電王とは完全に対照の比較にはならないけど。作品をイベントとして消化するところも似てるし、楽しい人たちは楽しいし、作ってる企業としても全然オッケーなわけで。
でもそれで本当にいいのか?っていうのはどうしてもひっかかる。作品の完成度とウケというのは完全に別になってしまったのは近年の傾向なんだろうか?それとも作り手のマーケティング研究の結果なんだろうか?俺の「面白い」は本当に自分の頭で考えた「面白い」なんだろうか?小林靖子も、脚本家としては決して電王がすばらしい作品だとは思ってないと思うよ。


そのへんの感じを「オタクの女性化」と書いてしまったのは自分の雑さなんだけど。自分の「おもしろい」と他人と同調して「楽しい」というのは全然違うと思うんだよねー。とか書くと自分の協調性のなさを実感して自爆するわけですが。でもこう素直に「イイデスヨネー」とか口に出してはいえないわけで。ブログは生っぽくていいよね。


なんかムダに長いのでこのへんで。

*1:だからカブトのときとかワームの考察をやったのが楽しかった