映画トランスフォーマーのダメなとこ

こないだ酷評したトランスフォーマー映画、他の人の感想を読むとおしなべて評判良くてちょっと意外な感じ。
ヒーロー映画のつもりで行ったらモンスター映画だったという落胆は自覚してるんだけど。フツーはモンスタームービーのつもりで観に行くのかなあ。


キャラへの思い入れは置いといてもなにせ脚本がダメなんだけど、どうせなのでもちょっと詳しく書いて考えてみる。


この映画は高校生、ハッカー、軍人の3人の視点で話が進む。それぞれの行動の目的を書いてみると、
・主人公 → オールスパークの手がかりをオプティマスに渡す
ハッカー → 謎の侵入者の正体をエイリアンと見抜き、それを政府に伝える
・軍人 → ファーストコンタクトの経験とエイリアンの弱点を軍に伝える


とりあえずこんな感じだけど、後半出てくるセクター7の存在が全てをぶち壊しにしてるのだ。
・主人公 → オールスパークはすでに確保済み。おまけにメガトロンまで確保済み。
ハッカー → エイリアンの存在はとっくに知ってる
・軍人 → エイリアンの弱点は低温。エイリアンを研究しつくし数々の発明済み


どんでん返しの域を超えて、これまでの2時間はなんだったのよ?というくらいに、主人公たちの行動が無効化されちゃってるわけで。
これ以降はみんな行動目的が特にないままになるので、シナリオを牽引するモノがないまま話が勢いだけになってしまうというわけだ。ヘタにどんでん返しの役割なんか与えず、シナリオ上全員を一ヶ所にまとめる役割だけにしておけばよかったのに……。


これに限らずこの映画は話の都合が優先になってるせいで、キャラクターの行動がしっくり行かないんだよなあ。
一番気になったのが、セクター7に捕まるバンブルを「人間は未熟な種族だから……」と言って見殺しにしちゃうオプティマス。主役のはずなのに酷過ぎるー。
なんでこうなるかといえば、バンブルが捕まらないと主人公が能動的にセクター7内で活躍する動機がなくなってしまうから。オプティマスたちは人語も喋れるし仲間も揃ったんだからどうとでもなりそうなもんだが。


キャラクターの意志じゃなく、シナリオの都合が優先で話が進んでるのが見えるとやっぱり萎えるとゆうか。見せたいシチュエーションを繋いでるだけに見えちゃう。
シチュエーションを組み合わせてシナリオを作る、というのは別に悪くないし普通なんだけど(洋ドラのスタッフリストに出てくるストーリーコーディネイターという役職の人がこれに当たる)、もっと上手くできなかったものかと思ってしまうよ。