天道はダブスタ?

http://d.hatena.ne.jp/quon913/20061226/1167160448
http://d.hatena.ne.jp/lotustea/20061227/1167231500
そりゃあダブスタでしょう……。しかしちょっと待ってほしい。正義のヒーローはたいがいダブスタではないか。全ての命を守るのが正義のヒーローなら、悪人だって殺していいはずがない。

まあこの手の議論は特撮だけでなく時代劇とかでもよくあることなのだけど、結局は視聴者が主人公に感情移入できるかどうか?悪役を殺して良いほど憎めるか?という問題でしかないと思う。
全てのワームを倒す、を忠実に実行するなら天道はひよりを殺さないといけないが、女の子を殺すようなヒーローには感情移入できないし、そんなのは日曜の朝の子ども向け番組で観たいものではないし、それが正義だと言っても誰も納得しないだろう。剣の場合にしても、あれが人間体であったら、血まみれの死体が残るような描写がされていたら誰も天道の行動に納得しないのではないか。いくら正義といっても絶対に正しいものなんてあるわけがない*1し、魅力的ではあってもどうしても描ききれるテーマじゃないんだよな。
そのへんは観てるほうだって完全に理屈で割り切れるものではないのだから、そんなに拘ってもしょうがない気がする。ただ天道が感情移入しにくい(ひよりが魅力的でないことも含めて)のは事実なわけで、そこはマズったなあと思うけど。テレビ番組が面白いと思うかどうかは、登場人物に感情移入できるかどうかにかかってるし(同性と異性で感覚は違うけど)、整合性で文句言う人も結局理屈ではなく感情で納得できるかどうかに尽きるような気がするんだよな。


信賞必罰・勧善懲悪という言葉があるけど、正しいものが報われるかどうか?誤っているものが罰せられるかどうか?に拘るのは男性のほうが多い(実際そういう研究があった)し、設定が面白いとかそうでないとか以前にそこを番組のテーマとして引っ張っちゃった時点でグダグダに見えちゃうのは仕方がないのかもしれない(そのへんを#14、#15でスパッと片づけた555のやりかたのほうが娯楽作品として正解)。
実際男の子向けで人気がある作品は悪人の悪がこれでもかと描かれているし、それをヒーローがスパッとやっつけるところに爽快感があるわけで。シナリオ展開がいくらいきばたでも良いけど、そこを娯楽作品の芯としてちゃんと描かれてさえいたら全然評価が違っていただろうなあと思う次第。あとはやっぱりシナリオのシバリの問題のような。


テレビ本編だとひより関係の話はもうスルーしかない気がするけど*2
よみうりランドですべての決着が着くと信じて……!ラ〜ララララララ〜♪

*1:そのへんの話を現在井上敏樹が『牙』で「絶対規律」の善悪を描いてるのが興味深い

*2:http://www.youtube.com/watch?v=lNnYk3RNNhc→元ネタhttp://www.youtube.com/watch?v=urFeIsct9Pc