コメント返信兼カブトいろいろ妄想

コメントありがとうございますー。


神代剣を殺さないだろうという薄弱な根拠をいくつか書くと、白倉Pが今年はメインのキャラから死人は出さない、というのをどこかで読んだことあるのと、姉の仇を取れずに剣が死んじゃうのは余りにも報われないんじゃないかと思うのからなのです。剣がワームで悲劇のヒーローとして死ぬ、というのは伏線をきちんと踏まえているけど、サプライズがなさすぎて観てるほうもつまらないんじゃないかと。
そう考えるとサソードにだけ装備されているブラッドコア*1さえ白倉Pの釣り針設定に見えてきてしまいますよ。


仮に剣が死ぬとしても、井上脚本は報われない死を結構書いてるように見えて、まったく報われない死というのは意外にないと思うのですね。555でいえば木場や草加は死んでるけど、実は人を殺したことのあるやつばかりだったりするし、*2生き残ってる琢磨は悪人とは言え無辜の市民を殺してるシーンは描かれていない。ブレイドだと正義キチガイの桐生は最終的に死んじゃうし、響鬼でもザンキの死はきちんと後継を残した、という点では報われないわけではない。
こうして見ていくと、井上脚本は大衆の好み、勧善懲悪の基準を外さない(重要)ので、剣の行く末にしてもあんまり酷い結末は描かれないんじゃないかと。心の中のサソリワームと戦って勝って、ミサキーヌといい仲になる、っていうのが妥当な線かもしれないけど、ちょっとヌルいなあ。そういえばこの間の麗奈と大介の話は、「人間とワームは理解しえない」っていうのを視聴者に見せる話でもあると思う。これをどっちに作用させるつもりかはわからないので、そういう意味では期待。


立川との絡みにしても、単に剣の敵意を感じて立川がビビった(剣はネイティブの存在自体を知らない)でいいんじゃないかな?いつもワーム登場に合わせてサナギワームが出てくるのは、ワームどうしはテレパシーで通じるからだというのはアリだと思う。


ところで剣はディスカビル家の再興を願い、じいやがZECTと結託して密かに剣をワームと掛け合わせ、最強の人間として生まれ変わらせた(姉はそもそもおらず、後天的に付与された記憶)存在という妄想もしたけど、さすがにこれはないか。でも伏線まるで無視の展開があってもおかしくないのが今のカブトですよ!
つーか剣って初めは天道に匹敵するスペックの持ち主として登場したのに、アッという間に出オチ芸人になっちゃったのは、まともに描くと主人公を食っちゃうからなのかなあ。「個人のアイデンティティと正義」というカブトのテーマを考えると、自分が殺した肉親の復讐に生きる戦士というのはカッコ良すぎ&面白すぎだし。ZECTとの契約を切らないまま、清貧の思想を貫くワームハンターとして牙狼チックに描けば十二分に主役を張ってもおかしくない強力なキャラだったというのに……。


ライダーたちがネイティブってのもテレビでの描写を観てるとまんざらでもないかなーと思ってたりしします。現に加賀美は二度死んでいるし、2回目の死の際はワームのように緑の炎をあげて爆死している。*3「死」と「再生」がきっかけだとするなら、加賀美は一度人間としての生を終えて、ワーム/ネイティブとして生まれ変わったのではないか。という推測を蒸し返してみたりするのもまた一興。オルフェノクみたいだけど。
この見方でいくと、天道も実は隕石の落下の際に一度死んだのではないか?というのも成り立ちますね。天道と加賀美はライダーシステムの被験者、ワームとして生まれ変わることを約束された存在で、日下部夫妻は息子を計画のために差し出すのを拒んで殺された。(赤い靴システムはそのあてつけ?)
……というのが普通の見方だけど、日下部夫妻実は不治の病に罹ってて、総司のために自主的にネイティブの中で生きることを選んだというのもアリかも。記憶が人間の全てなら、それを引き継いでくれる存在がいるなら人間は死ねるのではないか。


だいたいネイティブって言ってもたかだか35年前に来た連中にそんな名前をつけるだろうか?実は地球の先住民であり、実は人類の創造主ではないか?昆虫は宇宙から来た存在ではなく、実はそれ以外の生物が生み出された存在なのではないか?*4
ネイティブ氷河期の訪れとともに地球を去ったが、地球温暖化に伴って故郷の地球に帰って来た、と考えるとネイティブという名前も納得がいく。単純に考えてネイティブは地球人と共存する穏健派、ワームは地球を乗っ取ろうとする過激派なのかも。
人間&地球の生命体がネイティブの創造物だとするなら、人類にはネイティブの血が流れているものがいて、その血が濃い者がライダー適合者として選ばれる(矢車・影山・風間)。または後天的にネイティブの因子を埋め込まれた者もいる(天道・加賀美・剣)みたいなカンジ?加賀美の母親は語られていないけど、ネイティブというのも考えられる(試験管ベイビーというのもアリ)のでは?


そもそも、その姿を擬態するだけで記憶をコピー出来るワームに対して秘密など意味があるのか?そうならないのはワームの擬態が頻繁に行えないから?(年に一回とか。ネイティブは一生に一回?)加賀美パパを遠目で見て擬態するだけでZECTの秘密はまるわかりなんじゃ?サナギワームってぞろぞろ出てくるけど、卵から産まれていきなりあの姿なんだから、どうやって擬態する人間の前に現れるんだろう?ワームが人間の知識を得るまでのアイデンティティとは?ネイティブを人類の味方とするなら、ネイティブと一体になって生きることで強靱な生命を得ることを選ぶ人々がいるのか、はたまたネイティブは救急病院とかで待ってて瀕死の患者と入れ代わるのか?人知れず人間の中で生きるにしても、それだけじゃあ種族は滅んでしまうわけで、人間と交配できるのがネイティブなのか?


とかなんとかいろいろ書いてみると結構楽しいけど、こういう設定をいじくる面白さとドラマの面白さはまったく別なんだよなあ。面白そうな要素いっぱいあるのに。どうせSFやるなら堺三保あたりに考証を頼んだほうがよかったのかもしれんね。

*1:どのような人間がマスクドライダーシステムを活用しようとも同調させる

*2:平成ライダーの正義って、極端に言うと「人を殺すモノを殺す」なのだ。そこはちょっと物足りない部分ではあるのだけどそれはまた。

*3:ついでに書くと、よみうりランドのシナリオでワームの毒を注入されたガタックがワーム以上に暴走するシーンがある

*4:加賀美パパが聖書の引用をよくするのは、ワームが創造主であることを知っているせいかも?