平成仮面ライダーの正義

第二次惑星開発委員会の本のやつ。
クロスレビュー、白倉Pインタビュー、対談という構成。


クロスレビュー龍騎の評価高し。
以前も書いたけど俺的にはデザインがイマイチなのでそんなでもなかったりして。あの全身ジョイントにバキバキパワーアップアイテムが着いたり(聖闘士聖衣みたいなモンスターが出ると思ってた)、デジモンみたいな契約モンスターとの友情アタックが出る番組だと思い込んでたのもあるけど。こうして考えるとスゲー男の子向けですね。
ライダー同士が自分の欲望のために戦う、というテーマもそんなにグッとくるテーマじゃなかった*1んだよなあ。実は龍騎はテーマに反してパワーゲームの話じゃないところがクセモノなんだよね。
クロスレビューは個々人の評価はマチマチながら、批評というのはそれを「かなり知ってないとできない」っつーことを考えたりした。


白倉Pインタビューはメールでのインタビュー*2だったのね。ライブでのツッコミだったらもっと面白い話を引き出せていたような気がする……けどやっぱり無理かな?そのへんはしたたかそうだし。
井上脚本の話で、

 映像がいちばん伝えなければいけないのは「お話」そのものではありません。小説でもコミックでも「お話」を語ることはできるわけで、手間ヒマとお金をかけて、わざわざ映像でお話を語る必要性はありません。
 あらゆる映像作品は(ストーリーを含めた)テキストを超えなければいけません。

てのがイイね。上のレビューや次の対談と合わせて読んでもそうそうそれそれ!という感じ。


対談の部分は子供番組を語るのに誰も子供視点で観てないなあと思った。そこまで視点を広げるとわけわからなくなるのかもしれないけど、これ子持ちの人がメンバーにいたらまるで評価違ってくるんじゃなかろーか。
何故我々が平成仮面ライダーを観るかって言えば「カッコイイから」が第一にくると思うんだけど。


この本の趣旨はサブカル評論なのだけど、岡田斗司夫曰く「オタクはサブカルが嫌い」というのに同意してるこちらとしては一緒くたにされるのはやっぱ違和感があるなあ。
この項にしても平成仮面ライダーの内容に疑義を呈しつつ、そういう内容じゃなければおまえたちわざわざ取り上げないだろ?みたいなとこがある。オタクは昭和ライダーからもより深いものを見出すし、だからこそ長く熱中しているとも言える。
あと白倉Pのいうとおり特撮番組の魅力はテキストそのものではないのだから、シナリオ以外の部分も取り上げてほしいと思った。そのへんがこないだ書いた本の執筆者側と白倉Pのズレだし、向こうも歯がゆく思っているような気がしないでもない。人間はやっぱビジュアルの生き物ですよ。


他のとこもオタク・イズ・デッドの読み比べができそうで楽しみ。

*1:それなら現実でいいじゃん、という点で。単に方向が同じなだけでアギトで十分同じことをしてる

*2:http://d.hatena.ne.jp/matuoka/20060816#1155782136