仮面ライダーカブト考察 ワーム=ウィルス?

今回のエピソード、加賀美が無残にも殺害され、そこからガタックとして復活する様子から「ガタックの資格=一度死ぬこと」のような考察を書く人もいたけど、自分はただ死ぬのではなくて「ワームに殺されること」がキモだと思った。


ワームが人間に化けて本物を殺す、という描写は今まで何回も登場しているが、ワームに殺された死体はたとえば白い粉になったり、朽木のようになったりとさまざまだ。しかし今回加賀美は死んでもその形を保ち続けていた。これはつまり、『ワームに殺されても、適性のあるものはワームとして甦る』のではないか。特に今回加賀美はワームたちに触手で刺された際、なんらかの液体を打ち込まれたようにも見える。


と書くとまるで555のオルフェノクみたいだけど、もしワームがウィルスだとすると*1この仮説が意外に真実味を帯びてくる。いわゆる『ウィルス進化説*2』だ。ウィルスに感染した生物の身体構造が変化し、ワームになる。そう考えるとカブトの世界も少し違った解釈が可能になる。


マスクドライダーシステム
まずライダーたちは全てワームではないか?ということ。ゼクターに選ばれる第一条件とはワームウィルスのキャリアーということではないか。ライダースーツは装着者の能力を高めるものだが、逆にスーツの能力に装着者が追いつかなければ使用出来ないとも言える。変身中のスーツの中の装着者はワームと人間の中間体のような状態でいる*3、と考えるとライダーシステム装着者の高い身体能力もうなずける。


ワームが変身すると言っても、スコルピオワーム=神代は自らがワームだということに気がついていないし、今回のエピソードに登場したマコトは死ぬ寸前に自分の意志でワームの身体を操って加賀美を爆発から助けた。つまりワームウィルスに冒されていても、それだけで身も心もワームになってしまうというわけではないということだ。
天道はカブトワーム、風間はトンボワームだとしても、その正体を自覚したまま戦うことは可能なのだ。


ここで二つのことが考えられる。一つはワームがその人間に身体を乗っ取られるパターン。もう一つはワームに殺されて、さながらゾンビのように(オルフェノクのように)ワームに変身して生き返るパターン。加賀美は後者だと思われるが、神代はどちらのパターンだろうか。
どちらにしてもその人間は、もはや人間ではないモノになってしまっている。加賀美がガタックの適合者になったことを加賀美父に伝えた三島の口調は、つまりそういう意味なのではないか。


仮にこの仮説が正しいとしたら、いまだにライダーになった経緯のわからないライダー適合者たちは、どのようにしてライダーシステムと出会ったのだろうか?
今回の加賀美のように死んだものに変身アイテムを持たせるものがいたのか。それともゼクター自体が意志を持ち、変身アイテムを持たせたのか。ゼクターやマスクドアーマーが空間を飛び越える能力を持っているのだから、変身アイテムを(ワームになりかけの)適合者の死体に持たせることくらいどうということもないのかもしれない。


ここで例外なのはザビー。誰でも変身出来ると同時に、身体に紋章が現れるという描写がある。これはザビーゼクターがキャリアー以外の者でも変身出来るよう作られているものの、そのぶん身体的な拒否反応が紋章型のアザとして現れている、とも考えられる。つまりザビーは「ライダーは普通の人間が変身する」というミスリードのためのライダーというわけだ。


もう一つの解釈としては、「ハチ」属性にするウィルスだけはZECTがコントロール出来ているウィルスだというもの。簡易ライダーシステムと言えるゼクトルーパー武装に対応するために、ワームにならない程度に弱められたウィルスがZECT隊員全てに注射されていると考えることもできる。ワームウィルスに感染したときにキャリアーが何に変身するかはキャリアー次第だが、「ハチ」へ誘導することはなんとかできるというわけだ。
ウィルスに冒された結果、キャリアーが「ミツバチ」「クマンバチ」「スズメバチ」のいずれになったとしてもザビーには変身出来る。クモ、シロアリ等のワームが固体ごとに違った形態で現れていることを考えても、キャリアーが個体ごとに違った形態をとっても不思議ではないし、同じハチ属性ならザビーに変身可能というわけだ。
ガタックに関しては「クワガタ」になる可能性のあるものがZECTにいなかったということだろうか。これは試さないと判らないのだ。


ワームの繁殖
ワームがウィルスと考えた場合、廃工場にあったワームの卵と思われるモノもまた違った解釈が可能になる。
ワームの卵が画面に登場したのは初めてだが、あれが卵だとするともちろんそれを産んだものがいるはずだ。卵一つが人間大だとすると、かなりの大きさの親ワームが存在すると思われるが、特にそれを追う描写もないので結局よくわからないままだった。
ここで考えを変えてみよう。あれは果たして本当に卵だったのか?


もしワームウィルスに冒された適応者がワームになると考えた場合、あれが人間からワーム幼虫へと変態する途中の『繭』の状態という考えもできるのではないか。ウィルス適応者が人間から完全にワームへと変態する場合、さながら昆虫の蛹のように害敵に見つからない安全な場所でまとまってゆっくりと変態するというわけだ。そう考えるとワームを産んだものの痕跡がなくても不思議はない。あれらは自分から集まってきたのだから。
ワームが増えるのは何者かが『卵』を産みそれが入れ代わるのではなく、各個体が『感染』していくというわけだ。


ZECT
そしてZECTはなんのために戦っているのか。ワームの目的はなんなのか。
ワーム幼虫が戦いの中で成虫に脱皮することが多いを考えると、戦いのプレッシャーがワームを成長させる、とも考えられる。ライダーとワームとの戦いのエスカレーションは、逆にワーム側の進化を促しているのではないか。
虫同士の戦いということで連想する方もいると思うが、戦いの中で一番強いものを生き残らせ、その力を利用する────いわゆる『蟲毒』*4だ。
とはいえ他の全てのワーム、そして人間すら犠牲にしてなんのために最強の一を欲するのか?ということになるが、これはまだ不明だ。


しかしもし渋谷隕石と同じように、再び何者かが地球に迫ってきているとしたら*5。それと戦うために地球人類全てをワームに感染させて、そのワーム自体の新たな進化を促そうとする秘密組織があってもおかしくないのかもしれない。それがZECTというわけだ。



考察おわり。

まあこういうのもアリということで。
実際にやろうとするとウィルスの説明とかややこしそうだな。ラスボスが渋谷の地下に住んでるクィーンエイリアンみたいなワームでもそれはそれでいいや。



ところで天井を崩したときに見えたのって埃で乱反射した虹じゃなくてほんとにスターボウ*6なのね。さすがにこれはわからんかったよ。ポエマーですなあ。ちゅーかスターボウのビジュアル化ってトップをねらえ!でしか見たことないぞ。
目に映るもの全てが光の反射だとすると、果たしてほんとにああいう風に見えるのか?っていうのはあるけどそこをツッコむのはヤボなのかもしれんね。



ところで以前ライダーはクロックアップしてなくてもクロックアップした相手の存在を感じ取れる、というのを書いたけど、公式の設定でもちゃんとフォローしてある(Oシグナル・○○アイ)のね。ちゃんと読んでなかったよ。感じ取れるだけ、っていうのでは能力としては片手落ちだし、なにかしらのフォローがあると考えてもおかしくないと思う。
クロックアップ中はライダーやワームが一つの異空間に包まれていると考えたほうが辻褄があうので、宇宙空間での重力をツッコむのもアレだなあ。公式見てもライダーストンパーはただのブーツじゃなさそうだし。普段の地上戦での地面と足との摩擦係数の問題は想像もできてない?

*1:http://d.hatena.ne.jp/korohiti/20060611/p3このアイデアにインスパイアされましたよ

*2:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E9%80%B2%E5%8C%96%E8%AA%AC

*3:小説版仮面ライダーでのアイデア

*4:http://www1.atwiki.jp/occultfantasy/pages/371.html全然いわゆるじゃねえよ

*5:実は篠原保想定のオルフェノクはそういう存在らしい。カ、カッコ良すぎるッ!つーかこの設定を白倉Pが拾ったというのもありなんじゃ?http://d.hatena.ne.jp/kasindou/20040403#p1

*6:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C