小さき勇者たち〜ガメラ〜 関連本

まとめて読んでみた。

脚本家自らのノベライズ。小説ということで透少年の内面やトトの交流、一ツ木の性格が丁寧に描かれていて、映画で不満だったところがクリアになっている。うーん、やっぱり映画のスケボーシーンはナシにしてこっちみたく空飛ぶトトと犬みたく遊ぶシーンを入れるべきだったよなあ。これなら透がトトに入れ込む理由にも共感出来たのに。ガメラを利用しようとする大人と少年の対立、というラインもちゃんとしてて、正直こっちの内容をそのまま映像化してほしかったと思う。


ともだち 小さき勇者たち ~ガメラ~

ともだち 小さき勇者たち ~ガメラ~

映画ノベライズ。怪獣映画らしく特撮オタが突っ込みたがるようなところをきちんと押さえてあるのがイイ感じ。雨宮教授のマッドサイエンティストぶりが良く書かれている。昭和ガメラ怪獣総登場!がウリなんだけど、形が同じだけで違う生き物なのは素直に喜べないなあ。出せばいいというもんでもないでしょう。それともそういう発注だったのか?そのぶん後半はバトルが多いけど、やっぱりこういうのは実写で観たかった。
ただ筆者が男性なせいか、透少年とうまくコミュニケーションが取れないお父さんの気持ちや父子の交流の部分の書き込みが多くて、男性としては共感出来る。ちゃんと対象に向けて書かれているってことなのかな。


ガメラ2006 HARDLINK (単行本コミックス―KADOKAWA COMICS特撮A)

ガメラ2006 HARDLINK (単行本コミックス―KADOKAWA COMICS特撮A)

本編のサイドストーリー。映画中盤で運ばれたトトに注入される紅真珠エネルギーをめぐってのスパイアクションもの。映画に合わせてあるので怪獣が出てくるシーンは回想映像のところばかりなので、怪獣ものを期待すると肩すかしをくわされちゃうけどしょうがないのかな。マンガとしてのレベルは高いけど話的にどうにも地味なのが残念。一ツ木&雨宮コンビがカコイくて違和感バリバリでそこが面白かったりして。



個人的にオススメはやはり龍居版の小説。文庫なので手軽に買えるのも嬉しい。こっちを先に読むと映画はガッカリしてたかもしれんね。
あと龍居版と蕪木版ではお母さんが死んだ理由が違っていて、そこが透の考え方や行動理由の違いになっているところが読んでて巧いと思った。なるほど巧く棲み分けているし、ストーリーラインは同じなのにどちらを読んでも違った感想が出てくるようになっている。映画が話的に一番ダメというのはどういう理由なんだか。プロデューサーか監督か編集か。
映画が物足りなかった人も面白かった人も、ノベライズ読んでみるとまた違った印象を受けるのではないかな。