第1世代・第2世代オタクについて

オタクイズデッドの話題についてはもう書くこともないのだけど、ちょうどいい本があるので紹介。

トンデモ創世記2000―オタク文化の行方を語る (と学会白書シリーズ)

トンデモ創世記2000―オタク文化の行方を語る (と学会白書シリーズ)

2000年という、オタクとそうでない層の境界が揺らぎはじめていたときの本。唐沢氏自身も、これがオタクとして全てのジャンルを追いきれた世代と書いてたりして、いろいろと興味深い。
もう我々は世代が違うのだ!というのは簡単だけど、第1世代の状況や考え方を知っておけばまた全然違う考えが浮かぶし、オタク論を書こうとしたときに説得力がまるで違うのではないかな。


あと第2世代の考え方や行動は、東浩紀氏の郵便的不安たち(違ってたらゴメン)に載ってるオタク歴を見ると納得出来る部分が多いと思う。第1世代とは考え方が違い、オタク文化は勉強すれば誰にでもわかるはずだと。なるほど典型的アカデミズム傾向だなあと。もちろん理解出来ない人の事も考えて書いているのは間違いないだろうけど。
反対に唐沢氏などは自著に関しては「アカデミズムっぽいことを書いておくと本の寿命が延びる。アカデミズムは防腐剤」みたいなことを言ってたりするのが面白い。


第3世代はネットを見ればたくさんいるのではないかな。
それにしても言葉というのは無力だね。人間のコミュニケーションは誤解とすれ違い(東浩紀氏書くところの「郵便的不安」というやつですな)で成り立っているのはしょうがないのかもしれん。
集団文化に対する帰属意識の希薄化、なんてオタク文化だけじゃなくて今の日本の社会状況全体にも当てはまるのだけど、そこまで考えたほうが面白いと思うよ。


つーかプチクリの概念てオタク非オタクの話には関係なく単に誰かに何かを発信する事を全肯定してるだけなんだよな。
http://putikuri.way-nifty.com/blog/2005/11/post_4024.html
オタクイズデッドというイベントの締めかたとしては違和感があるのはしょうがないのかもしれん。
だけど何かを肯定する、という態度は、他人をけなして自分を立てようとするよりもよほどポジティブだし、まわりに良い影響を与えるのは間違いない。面白いツッコミ芸ってほんとに難しいと思う。
「夢っていうのは呪いと同じ」だとすると、この本はその呪いを解いてくれる本。
俺もプチクリしよう。