二次元美少女論―オタクの女神創造史作者: 吉田正高出版社/メーカー: 二見書房発売日: 2004/08メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 34回この商品を含むブログ (32件) を見る

タイトルに二次元と書きつつも女子プロの話題やアイドルの話題が入ってくるのはご愛嬌としても、文化論としてもつまらない。

同人誌なんかもフォローした膨大な知識を披露しているのはわかるが、それによって導かれる考察がてんでつまらないせいか。これがターニングポイントで……とか書かれた作品がいちいちマイナーな同人誌だったりしても、そんなこと読み手が面白がるわけもなく。あまりにも主観が入りすぎである。

そこで、二次元美少女の属性として、特に重要と思われる「甲冑・パワードスーツ・触手」「メカ美少女」「美少女パイロット」「格闘美少女」「ヴァーチャル・アイドル」「ゲーセンの美少女」の六つの項目を立て、それぞれを詳細に考察してみた。

まえがきより。この時点でイヤな予感はしたのだけど。
さらに言えば筆者は「作り手」に対してはまったく踏み込んでいかず、発表されたものだけをこねくり回して文章を書いているのでは読んでるこちらの気を引かない。


その一方で不必要に多い注釈はオタク向けだし(知らない人にはなんのことかわからないうえに、単なる自慢話も多々)、そもそも本文に関係しない個々の作品のストーリーのネタバレ(本当に意味がない)は注釈でやることではない。

こういうの読むと同じようにオタクをネタにした本でも、岡田斗司夫が如何に面白いのかがよくわかる。なんていうか知識自慢のオタクの高説をひたすら垂れ流されてる感じで、これを出版物で読まされてもなあ。という感じ。オタクが嫌われる、というのはこういうことに無頓着であるせいではないか。オススメできない本。