仮面ライダー響鬼の設定を考えてみる

ヒマにまかせてつらつらとチラ裏。本当は公式設定が電撃ホビーマガジンあたりに載ってそうだけど読んでないのでよくわかりません。
俺設定と違うからってTVスタッフに文句言ったりはしないさー。


◆人間から鬼への肉体の変化は、一種の強烈な自己暗示によるところが大きい。
自己暗示による肉体の変化としては、いわゆる聖痕や想像妊娠などの例が知られており、鬼への肉体の変化はそれらの極端なものと考えるとわかりやすいだろう。
変身の際の発火現象は、変身者の全身の筋肉が瞬間的に発熱し衣服および体外に放出された燐分が燃焼するせいであり、放電現象は細胞を通る微弱な電流が直列に繋がる(電気ウナギと同じ理屈)ことにより強烈な電流が発生し、それが大気中に放電されるせいである。変身の際のこれらの現象は個人差によるところが大きいが、猛士のデータでは大きく分けて3種類に分類されており、猛士のスタッフはそれにより相性のいい変身アイテムを用意する。変身の際に通常の衣服は燃焼したり、肥大化した筋肉により裂けてしまうことが多く、そのため鬼になる人間は特殊な下着を装着している(後述)。


◆鬼に変身出来る人間が限られているのは、脳内の記憶野、自我を司る部分のシナプス形成および脳内物質が関係しているものと考えられる。「響鬼」の世界では名字と名前が韻を踏んでいることが鬼の条件であるが、そういう人間は自分がそう呼ばれているという認識・記憶自体が、韻を踏んでいない名前の人間の脳のつくりとは異なっているのである。
さらに猛士が認定した『鬼』となり、コードネームで呼ばれるようになると、鬼である自己の肉体に対すが認識はさらに強くなり、(シナプスの状態がさらに変化し、さらに自己暗示にかかりやすくなる)変身に対しての肉体のコントロールはいわゆる『変身体』時代に比べて比較的容易になる。イブキが若いうちから優秀な鬼なのは、その育ちのせいもあるだろう。
戦国時代などにおいて名字のない人物の場合、その人物の住んでいる場所が関連しているものと考えられる。例えばカブキの場合は神田の勘三だろうか?


その他の条件としては、後述する変身アイテムとの関連で聴覚が鋭敏であること、全身の筋肉が鍛えられていることなどが挙げられる。が、実は本編でヒビキが語るほどに筋力が重要でないことは、他の変身前の鬼たちの身体つきやトレーナーのつかない特訓の様子など、映像を観てお判りのとおりである。仮に筋肉だけが重要であれば、顔面の筋肉も腕や足と同じ負荷で鍛えなければならない。
『鍛える』というのは肉体より精神の問題である(だから「鍛える」を会話で連発するのである)。自分が鍛えている、正義であるとの意識は自己暗示にかかりやすく(鬼への変身を容易に)させる。


◆変身は変身アイテムから出るある種の『音』(波動)が人間の肉体を変化させることにより行われる。ただしアイテムを起動させれば勝手に変身してしまうのではなく、変身者自身に変身する意志が必要になるのは言うまでもない。
変身アイテムは、変身のために起動してからしばらくは波動が出続けている(数時間程度)。波動の影響範囲は狭いため効果があるのは当人のみに限られ、変身中はアイテムを常に身につけていなければならない。そのため変身アイテムが体から離れると変身は強制的に解除されてしまう。
通常の変身解除では特に変身アイテムを身体から離さなくても、本人の意志で意図的に行える。部分的な変身解除も可能だが、その際は一種のコツが必要になる。意識のない状態では変身アイテムの波動が薄れるのに合わせて顔から順にゆるやかに変身が解除される。


初期のアームドセイバーによる変身不能についてだが、主な原因はアームドセイバーの波動による体力の低下によるところが大きいとされる。しかし前述のとおり身体の状態だけが問題ではないため、ヒビキ・トドロキが肉体の特訓に加えた精神的な鍛練によって変身が可能になったのは、本編を観てのとおりである。ちなみにこの特訓はヒビキ・トドロキをその気にさせるために滝澤と小暮が仕組んだ狂言だった可能性もある。敵をだますにはまず味方からなのである。


◆肉体が鬼に変化すると、その肉体からは魔化魍にとって不快なある種の『音』(波動)が常に発散されるようになる。
つまり、鬼は魔化魍にとって捕食されるべき人間とは違う生物として認識されるようになり、魔化魍にとって鬼は恐れるべきものとまではいかないまでも、苦手な存在となる。我々人間の感覚に例えるなら、鬼は耐えがたい悪臭を常に放っている腐りかけの食物や害虫のようなものだろう。触れる事もおぞましいのだ。
これが魔化魍が鬼にトドメを刺さない理由および、鬼が魔化魍に少人数で立ち向かえる理由である。
ちなみに鬼の肉体の波動は変身アイテムの波動とは別のものなので、変身アイテムを普通の人間が鳴らしたとしても魔化魍よけにはならない。


◆変身解除のときに顔だけ先に解除されるのは、鬼状態での鋭敏な感覚が脳に過剰な負担を与え続けるのを避けるためである。感覚器官が集中する顔は、体の他の部分に比べて変身状態を維持するのが難しいために、変身を解除されるような何らかのアクシデントがあった場合は手足や体より先に変身が解除されてしまうのである。慣れないうちは顔だけの変身解除がうまくできなかったトドロキも、戦闘中に音錠を飛ばされたときには全身の変身解除はなかった。
自然状態で優先される顔の変身解除が、なぜ意図的にやろうとすると全身の変身解除より難しいのかは、泳ぎの修練を想像してもらうとわかりやすいかもしれない。自然にしているだけで人間は浮く(顔からの自然な変身解除)が、意図的に浮こうとするとかえって大変(つい全身まで変身解除してしまう)なのと同じである。


顔の変身解除が優先されるもう一つの理由としては、鬼状態での行動は常に呼吸器に過剰な負担がかかっているため、気道を確保するということが挙げられる。鬼の力と呼吸器との関係は、パワーアップし身体に負担のかかる響鬼紅において鼻・口部分の色が通常状態の響鬼と違っていることからも推測できるだろう。


鬼状態での感覚器官についてはまだ謎が多い。目も耳も鼻もない(火を吐いたりラッパを吹いたりするとき現れる口は、通常の人間の、呼吸したり食物を摂取するための器官の口とは違うものである。烈風は通常の人間の呼吸器官では吹けない)鬼たちの顔で唯一感覚器官に見えるのは額の鬼のエンブレム(に見える部分)であるが、もしかしたらここに知覚器官が集中しているのかもしれない。響鬼が装甲響鬼へと変化するときに額にも装甲が装着されるのは、鬼のエンブレムが単なる飾りではないことの証左であろう。その際に人間と同じような視覚・聴覚・嗅覚・味覚などがあるのかは不明である。一種の『におい』で全てを知覚しているという説もある。
もちろん変身解除されるときはほぼ全裸のため、サポートスタッフである猛士の前であっても人の目に触れるところで全身の変身解除は当人にとって恥ずかしいという理由が一番なのかもしれないが。


ちなみに顔だけが変身解除された場合でも、人間の知覚および神経状態では鬼の肉体を制御することは極めて困難になるため、手足や胴体が鬼のままでも通常の全身鬼形態と同じように戦う事は不可能になる。つまり、顔(頭部)を変身解除した時点で鬼レベルの身体能力はほとんど使えなくなってしまうのである。


◆鬼への変身中は基本的に全裸のため、男性の鬼は不燃性の褌、女性の鬼は不燃性の下着を着用している。これは装備帯も兼ねている。
その他の金属製の鬼の装備品は『響鳴鋼』と呼ばれる素材(小説版では単に『鋼』と書かれている)でできており、これは鬼の肉体の波動に合わせて伸縮するという性質を持つ。鬼への変身は人間の肉体を鬼へ変化させると同時に、縮小・変形していた装備品の形を本来の形へと変化させるのである。
『響鳴鋼』は主に鬼が胸につけている鎧などに使用される(服の下に着用されていると思われるが全裸からの変身シーンがないため確認できていないが、人間形態で身につけていないように見える装備品は皮膚の下に埋め込まれている可能性もある)が、精度が必要になる音撃武器(烈風・烈雷など)に使用出来ないのが欠点である。


猛士の設定を埋めるほうが難しい気がするなー。