仮面ライダー響鬼の死亡診断書〜グロテスクな大人たち〜

http://d.hatena.ne.jp/hazama-hazama/20051009#p1

後期響鬼はトレンディドラマに玩具CMまで盛り込んだ最もグロテスクなドラマである。しかも、時間の短さからトレンディドラマ部分が成立していない、奇形でもある。あれを「よい」と思える感性は相当に蝕まれている。そんな病を、そっと癒す*2のが前期響鬼だったのに・・・・・

やはり、プロと大人と余裕は、悪意によって潰される。

自分は、ああいう余裕ある大人たちを見ていたかったのだと思う。実際には、余裕のない大人たちが自分と同じになるようあらゆる手段をつくして私をドブのような社会色に染めてきた。今も、ギリギリのところでそれと戦っているが、もう少しで完全に染まるだろう。そして、自分も次なる世代を染める役の一翼を担うのだろう。

アンチ後期響鬼ファンの過激な意見。いや子ども向け販促ドラマですって。
すごい断絶があるのだなあ。プロフのほうを見るとこの文が本気なのかちょっとわからないけど。


完璧超人だらけの夢物語には自分を投影できないので、それほど没頭できないなあというのが自分のスタンス。ドラマとはいえ人間が完全であるなんてありえない。「完璧な人間なんて、それだけで矛盾よ!」てこれも井上脚本か。
さっきコメント欄にも書いたけど、そういう「人の心の弱さが理解出来ない人」はまんま「今回までのヒビキ」のことなのだ。そう考えると、ここまで送り手が明確なメッセージを発しても人は理解しあえないものか、と悲しいものがある。

942 :名無しより愛をこめて :2005/10/10(月) 23:10:14 id:vXN16V0p
ヒビキとアスムの関係は今のほうが好きかな。なんか親子っぽいものに近づいてきてる気がするが。
今までは「ヒビキは憧れの大人だから黙ってついてくアスム」みたいな感じだったが
まだヒビキが導くことが多いとはいえ成長していくアスムにヒビキが感心させられる、
自分にないものを見出してアスムの成長を認めたり、意外な人間性に驚かされるって見せ方は
よりヒビキを近くに感じることができていいんじゃないかな。
達観してて雲の上みたいな存在よりも親しみが沸く大人のほうが子供も見てて父親なんかに置き換えて見れるかも。
だから一つ屋根の下のシチューはいいシーンだと思った。ちょっと親密ずぎる気もするがね。
「やっぱミドリってすげーな」ってのも他人を認められる度量を持ってる人が
大人っていえると思うし(もちろんそれだけじゃないけど)いい台詞だと思った。
まあ、相手がみどりさんだからかもしれんが。

当然アレッ?なところはあるわけだが今回の話はいまんとこマイベストヒビキかもしれん。
流石だぜ敏樹。

http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1126162014/942
という意見もあることだし。自分もそう思う。


猛士のメンバーが「余裕の仕事」をしているか?というのも違和感がある。「人の命が関わる仕事なんだから……」というセリフを今回初めてイブキが言ったけど、こんなセリフ初めてなんじゃないだろーか。
実際やればわかるけど、人の命を預かる仕事はもっとずっと厳しいものだし、*1それを言わないことがカッコいいか?といえば全然そんなことはない。クドクドクドクド言われるし、それが普通のことなのだ。


ていうか一連の響鬼のネット騒動をウォッチしていると、いい大人がこれほどまでに子ども向けの特撮ドラマに没頭するものかな?と思っちゃう。


大人のオタクは特撮を「薄目を開けて」ツッコミどころに目をつぶって、脳内で補完して楽しむものだと思ってたのだけど、どうやらそういう楽しみかたをしてない、知らない人も多いみたいだなあ、と思った。
要するに子供向けの甘い描写は置いといて自分が楽しめる要素だけを取り出して妄想して遊ぶ、というものだけど、ここで本編と自分の妄想が同じと勘違いすると東氏のようにツッコまれちゃうわけだ。


特撮ヒーローは子供の物という考えにとらわれてる、おもちゃ会社がメインスポンサーになるのはおかしいという人もいるけど、実際いい大人がファンタジーと現実をごっちゃにしちゃイカンでしょ。本来子供のものである仮面ライダーに、大人も引きつける要素をくっつけて売り出そうという売り手側の思惑にまんまと・ずっぽりはまってるのではないか。
トドロキが懐から鰹を一本まるごと出すありえなさと、鍛えた人間が音叉を鳴らすと鬼になる、というありえなさはどっちもどっちなんだよね。あまり自分に都合いいところばかりみるのもどうかと思うよ。


おもちゃといえば売り上げの話だけど、

252 :名無しより愛をこめて :2005/10/05(水) 14:00:22 ID:5+AbC46g
よく玩具売上げ70億円とかって書いてあるけど、
何人くらい(というか何家庭か?)の子供がいくら買ってるんだろう。

253 :名無しより愛をこめて :2005/10/05(水) 15:22:19 ID:3a8aXPNp
>>252
単純計算で、一人平均、数千円〜一万円(変身グッズ一つにDA数枚?)くらいだとすると
100万人くらい?

254 :名無しより愛をこめて :2005/10/05(水) 16:08:04 id:cJ0UxXkR
ファイズのベルトで50万本以上だから
そんなもんかな

http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1128004253/252-254
響鬼の敗因を考えるスレPart3より。
このへんを無視して大人に響鬼を返せ!俺たちが買い支える!と言ってもやっぱり難しいと思う。みんな少なくともCDくらい買ってるよな?俺は食玩全部とブックCDは買ったよ。
つーかCD買って1万枚くらいじゃあ、大人がおもちゃのそれと同じレベルで買い支えられんでしょと。このへんが甘いとまたツッコまれるよ。


なんにしても別に番組を楽しむのは悪いとは言わないけれど、子供と一緒のレベルになっちゃまずいよな、というのが常識的な大人の判断だと思うのよね。
ただ何を観ても人は感動するものだし、その感動する心を否定する気はない。感動する、という点においてそれがシェークスピアの悲劇だろうが子供の落書きだろうが、そんなことは関係ないのだ。そこに高級だとか子ども向けだとか優劣をつけようとするのはおかしい。
ただ今回の騒動は大人げない人が多すぎた。それだけ。


にしても世の中(ネット世論?)ツッコミ好きがこれほど多いのはなぜかと思う。
この本を信じるとすれば、やはり80年代のテレビ視聴スタイルで全てが変わったのか
な。

嗤う日本の「ナショナリズム」 (NHKブックス)

嗤う日本の「ナショナリズム」 (NHKブックス)

個人ブログをいろいろ読んで、その感想に文句をいうのはヤボと知りながらも、読めば読むほどに、笑える面白いツッコミというのは難しいなあと痛感。闇雲にツッコんでも誰も貴方を偉いとは思いませんよと。ナンシー関をはじめとするツッコミ名人の偉大さを思う次第。

*1:ついでに言えば鬼たちの「鍛えてる」描写もあんなもんなの?という疑問は以前からある。あきらが鬼になれるわけないじゃん!