電車男

観てきたー。とにかく脚本の出来がイイ。

2ちゃんねらーとして書き込みをしている連中のキャラクターをちゃんと作って、当たり前だけどビジュアル的に電車男エルメスのストーリーにからめているのが巧い。AAの使い所も効果的。


それにしてもエルメスがいい人過ぎ、というか全然生活感の見えないどことなく空虚ささえ漂うキャラクター描写なのはわざとなのだろうか。最後に二人で語り合うとことか全然説得力ないぞ。そのへんは男女のことなんでいちいち言うのも野暮なのかもしれないけど。恋愛映画のヒロインとしてはキャラが薄いような。


というかエルメスのキャラクターはとことん母性的なやさしさに満ちているような気がするんだよな。子供文化をそのまま持ち続けるオタクが母性に「回収」されているだけみたいに見えないこともない。
オタクに限らずこんな感じにとことん甘えさせてくれて尽くしてくれるタイプって男性の理想っぽいところがあるけど実際はどうなんでしょ。

電車男はけっこうお金持ってそうだけど。部屋に置いてあるフィギュア見てこれこれはいくらで……と金勘定してしまうのはさもしいのだろーか。エロゲのパッケを置けエロゲを!抱き枕を!
映画ではそのままのあなたが好きみたいな感じで終わるのだけど、このあとエルメス電車男の部屋に来てからが勝負だッ!という気が。大丈夫だ22才ならどうとでもなるさ。

結局のところオタクは「卒業するもの」として描かれてしまうのは仕方がないのかな。
海洋堂の社長が言うとおり、趣味のアトリエが持てないうちは、どんなにオタクを気取っても「男の道楽と呼べるものじゃない」のかもしれないね。


映画としては十分合格点で面白かったけど一般女性がこの映画を見て、オタクと恋愛するのってそんなに異常じゃないよね、と思うかどうかは微妙なところかなあ。

こうなったら「こみっくパーティ」を実写化するというのはいかがなものか。