大人の言うことを聞きなさい! 佐藤貴彦

大人の言うことを聞きなさい!

大人の言うことを聞きなさい!

教育論の本。身も蓋もないタイトルながら書いてることは至極真っ当。
進歩派・人権派の教育論を反体制イデオロギーの押しつけと喝破し徹底的に叩きのめしている。少なくともネットの意見なんかだと日教組教育の弊害なんかは普通に語られているけど一般家庭でワイドショー見てる主婦には耳に心地よい言葉ばかりしか届いていないのではないか。
建前ばかりの理想論を是とする戦前の優しい人々がボンヤリしてる間に現実がその理想論でグダグダになってるってことなのかな。


最近考えるのは人の「怒り」が何に由来するかって言うことで、たいていそれは教育なんだよな。実際私はすごい人権弾圧にあってるんですよ!なんて人はそんなにいないと思う。
自分が直接被害を受けたわけでもないのになぜ怒るのか?を考えた場合その原因が教育にあることは間違いないと思うよ。
たとえばこの間の国旗・国歌の話もそうだけどそれが本人にとってどういうデメリットなのか?を考えた場合直接に被害を受けるわけがないのだから。


70年代のイデオロギー対立は保守の勝利に見えて、現実にはアンダーグラウンドにまだまだ進行しているんですよ。というのが今読んでいる「新・国民の油断」。まだ読み途中だけど面白いよ。