テレビは真実を報道したか −ヤラセの映像論
古本屋で購入。'96年刊だけど思わぬ拾い物。
図書館に行けばあるんじゃないかな。
業界歴40年以上のベテラン木村哲人氏の豊富な実例の数々と研究成果がここに。
テレビは…というタイトルだけど、リュミエール兄弟の映画の始まりからヤラセがあったことから始まって、アメリカの赤狩りで有名なマッカーシー議員、ドイツのプロパガンダ映画で有名なリーフェンシュタール、TBSのオウム報道に至るまでの映画の歴史についてもきちんと触れられており、とても分かりやすく勉強になる。
特に海外のドキュメンタリーに関する評価(お国柄?)に関して客観的に書かれているのがいい。
一般市民はカメラの前に立つと、自身を意識してしまい、不自然な芝居をしてしまう。そこで俳優に演技してもらった方が、普通の日常的な動きを見せてくれる。
──イギリス
これはカラハリ砂漠に住むブッシュマンの生活記録なのだが、実は同じシーンを何十回も撮影し、そのフィルムを上映して見せ、興味を持たせた上でまた撮影するという、気の遠くなるような、手の込んだ方法で作られた。
──フランス
もちろん日本のTV番組のコメントの取りかたなんかもきっちり書いてある。
そういえばリーフェンシュタールのプロパガンダ映画「意志の勝利」はベニスとパリの映画祭で最優秀賞をとったそうだから(アメリカでは上映禁止)「華氏911」がカンヌで賞をとってもなんの不思議もないのかもしれないな。
てことでいつものトコから華氏911関連。
http://dzusi.seesaa.net/article/466236.html
http://dzusi.seesaa.net/article/447582.html
なんか観なくてもいい気がしてきたぞ。
ムーアの本自体も村崎百郎氏と同じで途中から飽きてくるんだよな…。
社会派くんが行く!の感想が一番しっくり来る予感。
自分の政治運動(市民運動?)に利用しようとする人々の思惑ってなんとなく透けて見えるけど海の向こうのことだからなあ。
町山氏のブログでこれに関するリアクションがあると面白いのだけど。