仮面ライダーファイズ正伝―異形の花々

ISBN:4063304132

てことで感想。

この小説は仮面ライダー555という作品が持つ根源的な面白さのカタマリをボロリと目の前に投げ出されたようなものであって、まさに剛速球。

たとえて言うならヨーグルトをおいしいと思って食べた後に、これが絞りたての原乳だ飲んでみろと紹介されるようなものか?
ていうかゲッターロボデビルマン、そしてもちろん仮面ライダーのTV版と原作みたいな関係と言った方が早いか。(おお、ナイス表現!)

とにかく強烈なキャラクターとエピソードをギュッと濃縮してぐいぐいと迫ってくるのは圧巻。


TVでは人間側からのアプローチとしての啓太郎がおざなりだったけど、この小説の本当の主人公は啓太郎と言っていいかも。というより誰を主人公にしても話が成立できる個性の作り方というのはやはりプロの仕事。


終わりかたは賛否両論あるかもしれないけど仮面ライダー555という作品のラストシーンとしてはこれ以上はないのではないか。そしてファンがそれを膨らませていく限り作品は終わらない!
http://d.hatena.ne.jp/kasindou/20040403#p1
http://d.hatena.ne.jp/kasindou/20040118#p1
http://d.hatena.ne.jp/kasindou/20040322

うわーヒートしてるな。


ジェットマンの小説を読んだときも思ったのだけど、これが本当に井上敏樹が表現したかったことなのだろうなあと思うし、いかにドラマというのがさまざまな人の力で作られているのかを考えてしまう。

途中でPDが変わったりとかカメラマンが入院したりとか役者が人気出たりとか…。もちろん1年という長さ自体もノイズと言えないこともないが。


TVシリーズを観ていたファンはもちろんそれ以外の人も読めば感じるところがあるんじゃないかな。
今年読んだ本の中では一番面白かった!と言うのは単なるリップサービスじゃないと思った。

これで2週間で書き上げるというのだからなんとも。
GAやら天上天下やらもちろん剣も同時進行か…。これがプロの技なのか。



それにしてもこの本は講談社も売る気があるのかないのか。
講談社のHPの予定表には出てないし、紀伊国屋に買いに行ったら検索システムの故障で在庫切れで探してもらったらサブカルの本の棚の近くだし。
ていうか判型が半端でノベルスの棚に並ばないし。
アマゾンも在庫切れだし。
2ちゃんねるの555本スレはネタバレなので今は見るな!先に読め!