老人党宣言 なだいなだ

ISBN:4480863508

選挙も終わって今頃読んでます。

うーん…ぶっちゃけ市民運動の本。いままで老人は無能な政府をほっといたおかげでこんなに日本はダメになったんだ!だから選挙に行け!と言う趣旨は納得できるのだけど対案のまったくないままでは反対のための反対の域を抜けていない気がする。
だいたいその無能な政府の恩恵で戦後生きて来られたんだし…。老人保護といっても他国と比べて日本はまだまだ高いレベルなのは言うまでもない。あといくら老人党といっても子供や教育の問題についても一言くらいあってもよさそうなものだけど。
ていうかこの本なだ氏の文章は半分しかないぞ。30分で読めるし…。


気になるのは自分でイデオロギーと言ってる通りの平和主義な部分で、わかってて言ってるのかわからないで言ってるのか端々に気になる部分が。

「人間を虫けらぐらいにしか思わないのが、今時の軍人ですが」
クラスター爆弾を、ひそかに買っていたとは。(略)自衛隊を追求してくれる政治家に投票しよう」
「政治を面白くするために、田中真紀子に選挙に戻ってきてもらいたい」
拉致被害者を、ただ被害者と見ずに、拉致されて北朝鮮で暮らした年月の間に、作り上げた人間関係を、両国の民衆レベルの関係回復に役立たせるような発想が、生まれないでしょうかね」
官房長官の発言を聞いていると、この人の頭には、米英の分け前をもらうために、自衛隊の派遣ぐらいしなければ、という程度の考えしかないと思われます」

平和主義は良いけどやっぱり平和ボケと言われても仕方ないかもしれない。人間は理想と現実の間で悩むから人間なんであってさ。



現実論で言えば唐沢俊一氏のこの物言いが一番的を射てると思ってるよ。

だから「アメリカに追随するな」って言ってる連中は、「もういっぺん、アメリカと戦争して勝てるだけの再軍備が必要だ」って言ってるのと同じなんだ。自分で気がついてないだけで。

http://www.shakaihakun.com/data/

小林よしのりをバカにしてた連中も今の小林よしのりもみんな一緒と言えないこともない。


実際には日本は芯の部分を崩さないようにして小狡く立ち回るのが一番いいと思うけど。そのためにはもっと頭よくならないといけないよな…。せめて情報くらいは。



平和主義の人々が自衛隊員が死ぬのが嫌と言う理由で派遣を反対してるけど、いままでの平和主義のおかげでまともな武装をさせてもらえないのは今の状況ではマイナスでしかない…というのはこないだ書いた。

今週の週刊新潮のコラムでまた高山正之教授が、武器輸出禁止のおかげで防弾チョッキを送ることの出来ない問題をあげてましたな。兵隊を虫けら扱いする平和主義者が本当に平和主義者なんだかわからんねえ。正義というのはいつでもどこでもタチの悪いもので。
果心堂は高山先生ぇを応援しています。
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