「アニメ評論家」宣言 藤津亮太

ISBN:4594042112

オタク大賞の審査員だったので。
意外とありそうでないちゃんと読めるアニメ評論集。つまりエヴァブームのときにたくさん出た「エヴァをネタに自分のいいたいことを語る本」じゃないわけで、ちゃんとした評論はかくも楽しいのかと思う。

もちろん甘いことばかりじゃなく批判もきちんとあるし、制作者に甘えを許しているわけでもない。実はアニメ誌を読んでもお目に書かれない文章ということでアニメファンは読んで損はない。

知ってる作品のとこを立ち読むだけでもいいけど最終章の筆者のアニメ評論に対する態度を読むだけでも批判のための批判なんてくだらないことはかけなくなるはず。こういう文章を書けるようになりたいねえ。

 では、評論とは何か。それは「作品を見た」という体験を、言葉を使って、別の方法で再度表現し直すことだ。その根っこにあるのは、最初に作品を見た時の、驚き、迷い、胸のうずきなどの直感的なものだ。その直感を作品を見ることを通じて少しずつ肉付けし、一つの意味にしていくというのが、評論を書くということだと思う。辛口評論は、よっぽど上手に書かない限り、そういうふうにはなりづらいのだ。

ここに書いてるのは感想なのであまり関係ないといえばないけど。