オタク論!

オタク論!

オタク論!

「創」連載のオタク対談がやっとこ単行本に。ううむ、面白ー。オタクについて語る、のではなく、(今や自称)オタクの視点から社会現象を斬る内容で、まさに「面白くってためになる」本になっている。


オタクの定義をどうこういう時代ではなくなっているけど、それでもこの二人が自分をオタクと言って、それを認めるのは、この二人がやはり圧倒的に面白いからなんだよな。オタク以外にもわかりやすく、それでいて面白い、というあたりが。結局このへんをクリア出来ている論客は他にいないのではないかと思うのだが、タコツボ化してもいいんだよ、という今のオタクにとってはどうでもいいことなのかもしれない。本の中でもその断絶化、オタク共同意識の死───いわゆるオタク・イズ・デッドに関することに関してもちゃんと語られているし。


本編で語られているテーマもその時々のホットトピックで、これが「創」ではなくSPA!あたりで語られていたら影響力も違っていたのではないかという気がするがそれはそれ。目次から書き出してみると、

秋葉原でオタクを語る
・日本最大の闇市場コミケ
・アニメと評論
・オタクとダイエット
・WEB日記
ミクシィ日記
電波男
・萌えの経済効果
・SF映画の過去・未来
・最新版「オタク」の定義
・オタクの老後問題
・マンガと評論
・オタク論の現在
腐女子論に挑む!
・オタクは死んだ、のか?
・マンガ家という生き方
・追悼 米澤嘉博
・代アニの経営危機
・“感性格差社会”の到来?
・頭がいいのに仕事がない人

どれこれも面白そうでしょ?実際面白いのだ。
第一回が2004年ということで、その時期を考えても、リアルタイムで読んでいればまた違った感想を持ったに違いないのだけど、現在こうしてまとめて読んでも面白いのである。腐女子論なんかは、女性からしてみるとどんな感想を持つのか気になるところ。もちろんこの二人のオタク感が多少古くなっていることは違いないのだけど。


ということでオススメの一冊。
前書きはこちらで。
http://putikuri.way-nifty.com/blog/2007/05/post_0453.html