仮面ライダーカブト

さらばぼっちゃま編。途中いろいろあったけど、つきつめると中身は神代剣の緩慢な自殺。ひねってくるかと思ったらひねらないまま終わってしまったか。でもなんとなく釈然としないのはやはり罪の意識のない剣を主人公が殺すという展開のせいだな。
「神代は自覚がないけどすでに姉を殺してるし他でも人を襲ってるだろうから悪」という理屈は
「ひよりはワームだから本人の自覚がないだけで実はどこかで殺ってるんじゃね?」という理屈も成り立ちかねないところがある。
たまたまスコルピオワームが姉を殺してるというのがはっきりしてるだけ(しかしそれも記憶があいまいな神代の自己申告)なので正義の味方であるカブトに罰される理由としては弱いし、神代のそれはひよりと同じ強がりだとは思わなかったのかよ?ていう見方をしちゃう。今回ラストの肝心なところで加賀美はいないし。


仮にカブトに殺されることが初めから決まっていたのなら、もともと神代剣草加雅人的なキャラを想定されていたのではないか?
ワームを倒すためだけに生きるワームハンターであり、ひよりをワームであるというだけの理由で殺そうとする、というエピソードでもあれば、カブトに殺されるにしても「神代も悪いとこがあったからなあ」「信念に従って正々堂々とカブトと戦い破れた」になるけど、実際の神代はイノセント過ぎるキャラになっていたし、最近はワームを倒してもいないしディスカビル家の再興のために動いていたわけでもないし。なんかあいまいなままシリアス編に入っちゃったので気持ちがついていかない……。
このへん実はカットされた10分の中で、
「最近姉さんの夢を見なくなった……。いや、俺は忘れてはいけないんだ。それが、今の俺が生きる目的なんだ!」みたいな描写があって、そっちでもとのキャラ設定を思い出すようにされてたのかも。
まあ妄想ですが。


天道が説得して「お前の中のワームは死んだ。神代剣はおまえを必要としてくれる全ての人のために生きろ!」みたいな展開で助かったあと、「所詮は人間の心に支配される程度だったか!」と乃木に殺されるような展開のほうが個人的には良かったなあ。こっちでも十分泣けると思うのだけど。


やっぱひより関連の話があるので天道が剣を殺しちゃう展開はどうしても引っかかるんだよなあ。これも迷走のツケか?