オタク・is・Dead コメント返信

あと書き足りなかったとことか追加気味に。


>pipechair さん
自分もあの様子を見て一言で言えない複雑な気持ちになりました。なんとなく岡田氏が家で進行表を書いてたときのテンション、面白さみたいのは想像出来るのですが、こうしていざたくさんの人の前で話すと、思ったようには(最後はプチクリ論でシメる、というよりシャレで自分の胸中をごまかすような形で終わらせるつもりだったのでは?)いかなかったのではないかと想像しています。そこがトークの面白いところですけど。


岡田氏は単なる差別用語だった「おたく」を、知的エリート的な「オタク」として戦略的に持ち上げ、一般に広めていったという自負があり、それなのに自ら死亡宣告をせざるを得なかった、という点であのときの言葉には我々には計り知れない思いがあったのかもしれないですね。実際「萌え」は「SF」と同じ、と語り、一度は過ぎた道とはいえ、自らが当事者になるととても冷静ではいられなかったんだろうなあと思いました。



>kagamiさん
魂は不滅、というか別に岡田氏自身が死んだわけじゃあないですしね。これからも元気に活動してくれると思うし、僕も期待しています。
プチクリ論を実戦する人は、それこそ氏が定義していたオタクそのものですね。岡田氏の提唱していたのは終始「強いオタク」だったわけですが、これからどう変わっていくかはプチクリ人間のがんばり次第なのかも。10年くらい経つとプチクリ人間がニュー第1世代と呼ばれる時代が来るような気がしますよ。僕たちの洗脳社会で書いてた洗脳戦の時代がいよいよ始まるのですねー。
俺もがんばろう。ていうかほんとになんとかします。うう。



>kioさん
うーん、実はオタクの定義は曖昧、というより昔からオタクの定義なんて個々人の心の中にしかなくて、単に他人に対する態度だったのではないか、と最近思っていたので、kioさんのいうこともわからないではないです。なので岡田氏のいうのが単なる回顧趣味というのも外れてはいないと思いますし、断絶を世代論として語るのもアリだと思うし、別に僕ももらい泣きしたわけでもないし。


ただ上でも書いたとおり、岡田氏は「おたく」から「オタク」の書き換えをして、オタクをポジティブなイメージに変えることに成功した中心人物ですし、そういう人が自ら「死」を語るときにセンチメンタルになることに対して、ワカランと一言で斬って捨てることは僕には出来なかったですね。


我々は(と勝手に書いてしまいますが)父や祖父が若いころに何を考えていたか良くわからないし、それはどうしようもない断絶なわけですが、オタク文化はそれを繋げられる可能性があった。戦国の武士や維新の志士と共通の話題を持てていて、お互いが尊重しあっていたと想像すれば(ちょっと持ちあげすぎですが)、その夢の時代が終わったことを自ら語るというのはやはり辛かったと思います。それに岡田氏は別に第3世代のオタクを「悪」と言ってたわけじゃないですよ。


岡田氏のいうオタクとは要するに共通概念としてのオタクであり、それが死んだと語ったわけです。深い浅いは個人の自由だけど、アイデンティティの問題に終始する第3世代を果たしてそれは今までと同じオタクと呼んでいいのか?ということだと思います。
これは去年・今年のオタク大賞でも語られてたテーマでした。*1



>korohitiさん
いやkorohitiさんは第1世代ってトシじゃないですからダイジョーブ(w


オタク文化といえば、以前もkorohitiさんとのやりとりで共通体験やコミュニケーションツールとしてのオタク趣味のことをコメント欄で書いたりしたのですが、そういう意味では「特撮」というジャンルは強いですね。バンダイがそういう戦略をとってる、というのもありますが。


果たして岡田氏の思いを受け止められない人が増えた、というのは、氏自身が「オタクってもっと知的な人(自分で好きなものを決められる人)だと思ってたのに、こんなにバカばっかりになっちゃったの?」と言ってた言葉に集約されてると思います。


しかしもともとオタク文化は弱い人の受け皿という側面も持っていたわけで、そういう意味では森川氏のオタクダメ志向定義もまんざらハズレてもいないし、オタクがヌルくなっていくのもしょうがない、というのもわかります。
ただそこで本当にそれでいいのか?と踏みとどまれるかどうかが問題なのかも。これは正直オタクの問題というより教育やメディアの状況の問題のほうに行っちゃうのかなあという気がします。ただ「世代」と片づけちゃうと割り切れない気持ちになるのはそういうトシだからなのかなあ。



>FAMP さん
うーん、岡田氏がメインストリームから離れちゃった、というのはわかるのですが、果たしてFAMPさんのオタクの定義は?と言った場合にも、やはり他人とは定義が変わってくると思うのです。


岡田氏の論によると、男性の場合イメージの大枠が合ってればオタクでオッケーになるので、今まではオタクの共通概念が持てた。しかし第3世代では自分の世界に没頭し差異にこだわるばかりで、そこに果たして共通概念が存在するのか?という意味で「オタクは死んだ」になってるわけですね。(レポは舌足らずでスイマセン)
声優がそんなに好きならなぜイベントを開いてやらないのか、なぜ自分の心の中で完結させてしまうのか、という点が岡田氏の考える一番の違和感なのでしょう。


岡田氏はこうしてアウトプットがある(評論ももちろんアウトプットです)のだから、ただブームに流されて買うだけの自己完結消費オタクではないしクリエイターを実践していると思いますよ。トップ2のアイデア出しにも協力したそうです。


Anonymous Coward さん
岡田氏によるとおたく以前の人はおたく原人というそうですよ。僕は第2世代ですが、岡田氏のいうとおり宮崎事件でのおたくのイメージはほんとに地に堕ちていた感があったのはなんとなく感じています。それと比べれば電車男ブームが「オタクにとって1000年に一度のチャンスの夏」というジョークに使われる時代はなんと変わったことか。
電車男は果たして幸せになったのか?オタクが蔑称でもいいけど(おたくはもともと蔑称であり、変なやつらの強制収容所とまで言ってますね)それに関して自分がどうふるまうかが問題なのでしょう。岡田氏がいうオタクは精神力と知力を持った強い人、というのは考え方の違いのポイントになると思いますよ。




えーと、本が出たら買うよ!と書いたけど本になるみたいです。やったね!
http://books.bestseller.shop-pro.jp/?eid=61952

はっきり言って俺のレポはかなりアレなので実際どんなことが話されてたのかは本を読んで確かめたほうがよいと思われます。会場でメモとってた人とかいたみたいだけどレポしてないのか?
本になるとはいえライブでの生の語りは昨日のあれ一度きりの一期一会なのでよい思い出になったですよ。俺はあの日を忘れない!

*1:このときにもうオタク・イズ・デッドという言葉が出てるんだよねhttp://d.hatena.ne.jp/kasindou/20060131