超星艦隊セイザーXの敗因を考える・つづき


セイザーXが面白い一方でダメだらけというのはいくら言っても言い足りないのでもうちょっと書いてみますよ。


今回はライオン・ワシ・カブトムシという子供に人気があるものをモチーフにデザインしたのに、それを全然活かすようにしてないのがすごくもったいないと思うのです。
たとえば各個人の持っている武器にしても、せっかくのモチーフとまったく関係がないデザインでまるで統一感がないし、戦艦も意匠はちゃんとあるけど、あのデザインは戦艦の魅力となんの関係もない、ある意味なんだかわからない珍妙なメカになってしまってて、前2作より退化しているように思えます。これがせめてビーストモードがあって3段変形だったらなあと。川北特撮で、6本足をワシャワシャ動かして恐獣と戦うビートバイザーが観たかったなあ。
戦隊のロボデザインがどんどん戦隊のキャラの色を濃くしていってるのに比べれば、セイザーXは10年以上遅れているのではないか。


あとは殺陣。各キャラともたしかにそれっぽくはしているのだけど、東映戦隊ものに比べるとやっぱりキャラが弱い。ライオセイザーはガオレンジャーみたく四つんばいで走ってくくらいでもよかったかなあと。
本格派のワイヤーワークのカンフーアクションも大事だけど、やはり見せるためのアクションのほうが派手でちびっこはマネしやすいわけです。
ズバリマネしやすいというのは低年齢対象のヒーロー番組では一番重要なのに、そこが弱かったというのはやはりズレてるというか、わかっていなかったのかなあと思います。
一番真似しやすいと言えば必殺技なのですが、超星神シリーズのヒーローが必殺技の前後に何か特徴的なアクションやセリフがあったか?といえばイマイチ思い出せない。同じ必殺技の名前を言うにしても、見得の流れの中で言うのと、ただ叫ぶだけじゃあまるで違うわけです。ライダーキックとかね。
あと剣でも斧でもどんな武器でもなぜかみんな飛び道具になっちゃうというのはいかがなものかと。アニメじゃないんだからきちんと肉弾アクションをするべきなのに、なぜビームにしたがるのか?。


おもちゃの話に戻ると、玉を武器に入れる、というのが果たしてカッコイイかをさて置いても、新フォームに変身するわけでも、武器の形が変わるわけでもない(シャークバッシュ以外?)というのはおもちゃの弱さだと思います。*1
なりきりアイテムの価値はギミックの面白さもさることながら、ずばり「段取り」であり、これが劇中でかっこよく見せられているか?*2つまりは様式美の勝負であり、超星神シリーズはそういう所にもっと気を使うべきだったと思います。


要するに何が言いたいかというと、セイザーXはライバルである(?)戦隊シリーズに比べると、どうもデザイン(製作)側と現場(制作)側の連携がうまくいってないんじゃないか?*3と、先日と同じ結論が出てしまうのです。コナミ東映も、果たして数あるライバル番組をどれだけ研究したのか?


超星神シリーズの魅力は本格派の人間アクションと川北特撮、あとは独特のノリの脚本(3作とも違うケド)なのだけど、その一方で子供番組で肝心ななりきり要素やモチーフに対するこだわりの部分がまるで置いてけぼりだった、と言わざるを得ない。
このエントリは完全に主観で書いてるけど、もし超星神シリーズが、これらの要素をきちんと踏まえていさえしたら、3年で終わることもなかったんじゃないかなあと。とても惜しい気持ちになって書いてみました。


まあ他にもキャラのパワーバランス(怖い敵、というのはいてもよかったのじゃないか?)とか脇キャラのデザインやソフビの出来なんかもあるけど、主な要因はこんな感じかなあ。

*1:リュウケンドーは鍵ギミックはもちろんのこと、武器兼変身アイテムということで強い。ドラグバイザーツヴァイやらファイズドライバーもやはり強かった。お得ってことなのかな?

*2:ファイズのクリムゾンスマッシュとか。段取りだらけだけどそれがイイ

*3:ベラベラしゃべるカプセイザーG2に比べれば、“クロックアップ”と言わないベルトなんてかわいいものじゃないか!