ウルトラマンメビウス #3

「つまりカラータイマーは単に危険信号を告げる器官ではなく、あの輝きこそがウルトラマンが生きてる証なんですよ!」
「てことは……あいつはわずか3分間の命を削りながら、戦ってるってことか」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!アッツイなあ!!
テレビの前で思わずうなってしまったよ。


3話まで見てきて、ウルトラマンメビウスの魅力とは何かと考えてみると、「ウルトラマンとは?」「怪獣とは?」「防衛隊とは?」、その他ウルトラマンの一つ一つの要素を、もう一度正面からきちんととらえ直して、新しく描き直そうとしているところだと思う。そこが一見古く、実はマックスよりもはるかに新鮮。


平成ウルトラマン3部作では「光」だったウルトラマンが、今作では毒に苦しむ「生物」であると語られている点はかなり重要。Aでウルトラの父が初登場して以来、ウルトラマンは正体不明の何か*1、ではなく父がいて母がいる宇宙人という設定にシフトしたことと対応しているわけで、その設定の上でウルトラマンを語り直す、というのは実は平成ウルトラでは今までやっていなかったことなのだ。ウルトラ兄弟の設定が復活、とは人気とりであることはもちろんなんだけど、それで終わらせず、ウルトラマンが生物である、という設定に巧く転化させているのではないか。


怪獣の存在もまた、既存の生物とはまったく異なる、まさに「怪獣」としか言えない存在としてきちんと描かれていることもポイント。怪獣とは新しい公害でも、我々が望むから現れる幻でもなく、生物であって生物ではない独立した異界なのだ。


そして先週も書いたけど、異星人のオーバーテクノロジーを使用して、ついに怪獣と対等に戦えるまでになった防衛隊としてのGUYS。このへんのSF設定の凝りかたは、まさに「僕たちの観たかった地球防衛隊」。チームメンバーの入隊の仕方はドラマらしいツッコミどころではあるけど、宇宙人や怪獣に対する扱いは実はネクサスの描写よりよっぽどリアルなのではないか。チームのメンバーの個性の対立と共感のさじ加減もイイ感じ。やっぱり掛け合いがないとね。


なぜウルトラマンは他の惑星である地球のために戦うのか?ウルトラマンの正義とは?みたいなところまで踏み込んでくれたら、新世紀の傑作ウルトラとして名を残すのではないかと思う。「本気」のウルトラマンが観れそうで毎週楽しみだな。
願わくばオタク向けに閉じた方向に行きませんように。エンターテイメントの基本は、一種のマンネリなんだから。
にしてもネクサスが全国放送でこれがローカルというのもなんだなあ。


「おいウルトラぁ!俺はな、たった一つしかねえ自分の命を粗末にするようなやつに、この星を守ってもらおうとは思わない!」っていうセリフは名セリフだと思う。#1を観ると泣けるぜ!

*1:初代マンの時点では、「命」は持って来て誰かにあげられるモノだったわけで、超宇宙人なのだからそれはそれでOKだと思う