鍵姫物語 永久アリス輪舞

うわっ!終盤に向けて毎回グングン面白くなっていってますよこの番組は!
「想像力が創造力に変わるとき、終わらない物語を終わらせるための戦いが始まる……」
というOPナレーションの意味がついに明らかに。
ヒロインが実は脳内彼女だったという展開もさることながら、実はそれが主人公の、妹への愛情の代償でしかないという容赦のない展開に目が離せない!他のヒロインたちの物語が心の中のトラウマの代償行為であるのと同じく、ヒロインさえも実は主人公のトラウマの産物だったのだ。


前回前々回も書いたけど、宮崎なぎさ池田眞美子コンビはこういう女の情念みたいなのを描かせたらピカイチだなあ。というよりこういう退くに退けないところにこそドラマがあるというか。
単なるギャグキャラのようなキサも(もちろんギャグもやるけど)今回はセリフのひとつひとつが重くて切ないよ。自分の立場をちゃんと自覚している、と言う点で有人よりも心の中にはずっと重いものがあるのかもしれない。


お互いがみんな好き同士なのに、肉親であるとか、同性であるとか、現実の人間ではないとかの理由で、決して素直に結ばれることはない。それなのに、好きで好きでたまらない!その4者4様の気持ち。
果たして有人がありすかきらはを選んだとしてもどちらも幸福にはなれないし、もしきらはを選んだとしたら、それは同時に妄想でしかないありすの『死』を意味するのだ。単なる妄想ではなく、それが同時に生きた人間だったら、有人の優柔不断を簡単に責めることはできないわけで。こういう苦悩こそがドラマなんだよなあ。やっぱりこういうのがあってこそ人は感動するのだし、他の戦闘美少女ものとは一線を画していると思う。


今回は志田ただし&青木哲郎作画監督ということで、いつもより気合の入った作画!正直毎回これでいってくれれば神……だけどさすがに難しいか。途中で青木氏が助っ人に入ったって感じなのかな?
脚本・演出・作画スタッフが少ないせいで、少数精鋭ならではのクオリティを保っているところもオタク的注目ポイント。ネギま!のときのスタッフは入ってないわけで、宮崎監督はやはり気心の知れたスタッフなら100%以上の実力を発揮出来るということか。こうして面白い作品を観せられちゃうと、ネギま!のときの宮崎監督を責める気にはなれないのよね。


いまさらのようにハマっているけれどキッズステーションで1・2話の放送を見るとちゃんと初めから伏線を張っているんだよな。うーん、深いぜ!
EDで出てるゲストキャラは残りの話数で活躍の機会があるのかなあ……。


ところでアニメ版のFate/stay nightがイマイチなのは、ゲーム>アニメのトランスレーションに全然ひねりがないせいもあるけれど、そういう葛藤の部分が全然ないせいなのかもしれんね。先を知ってるから、というのはあるかもしれないけど、ストーリーをアレンジするのが難しいというのはあると思うけど、アニメ誌の盛りあげ記事に反してストーリー面がアニメ的にヤマを作ってないせいでどうにもダレる(ストーリーをなぞってますよ)感が否めない。作画はがんばってると思うんだけど、もっと考えてほしいよ。
そういう点ではAIRは究極だったのかもしれんなあ、といまさら思ってみたりして。