東映ヒーロー名人列伝 (平山亨叢書)作者: 平山亨出版社/メーカー: 風塵社発売日: 1999/03/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (9件) を見る

http://d.hatena.ne.jp/okts/20051205/p1
こちらで「星を喰った男」に書いてある平山亨氏の言葉が引かれているのだけど、こっちもオススメしておきたい。

子供相手だからといって、子供だましのものを作ってはいけないということは確かに平山氏は言ってはいるけれど、それ以前に平山氏がスタッフを養うためどれだけ視聴率を取るために苦労したか、というのを踏まえないと片手落ちになってしまう。

京都時代の私なら居直って、
「赤字の責任です。私の給料から引いてください」
なんてやるところだが、このころはグンと低姿勢だった。もちろん予算オーバーは私の給料などで追いつく桁の数字ではない。とにかく当時の劇場用映画の作り方は、脚本に書いてあることを完璧に撮るのが本来だったから、監督も海の撮影をやりたければ、脚本家に、海のシーンと明確に書いておいてくれと頼むのだった。書いてあったら、それが、海でなくても撮れるシーンであっても、制作部は海のロケを相当無理してもやってしまうのだ。
「どうして、海でなくてはならないのか?」
「脚本に書いてあるからだ」
だから、プロデューサーは制作部に責められるのだ。
「こんな特撮なんて予算オーバーする脚本を書かすなよ。書いてあれば撮らなくてはならないのだ」

地方ロケって大変だよね!

私は「なぜか、こうなる」というのがいいと言うのだ。理屈があっていても面白くないものは駄目だ。理屈抜きで面白いものが勝ち。それが「なぜか、こうなる」という私の表現なのだが、それを(特撮監督・矢島信男氏は)ほめてくれるのだ。

辻褄合わせだけに終始しちゃよくないよね!

私の持論の一つに、
「替えりゃあいいってもんじゃあない」
というのがある。
世の中には、替えれば面目一新パワーアップすると思い込んでいる人がいるが、そんなもんじゃあない。よかった物にはよかった点が多々あって、それを探り出してものにしてきたスタッフの苦労の積み重ねがあるのだ。それを替えてしまったら、また一からやり直しになる。またまた苦労してよくなればよいけれど、悪くなる場合だってあるわけだし、簡単に替えればいいという人は、そこのところを忘れているのだ。

完全新生ってやつですな!


みたいな感じ。もちろんこっちも大変ためになる。
http://d.hatena.ne.jp/kasindou/20051129#p2

将来白倉Pもこんな感じで過去の仕事を書いてくれることがあるのかなー。