仮面ライダー名人列伝―子供番組に奇蹟を生んだ男たち (平山亨叢書)作者: 平山亨出版社/メーカー: 風塵社発売日: 1998/02/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る


もう一冊。
仮面ライダーの生みの親の一人平山亨氏直々の手による一冊。平山氏の語りそのままで文章としてはこなれてないのだけど、いろいろと面白いエピソードが詰まってて、ファンには必読の一冊。作品というのは本当にいろいろな人の力があって初めて出来上がるというのがよくわかる。脚本家が一人でなんでも決めてるわけじゃないんだよ!

「正義のために戦うなんていうのは止めましょう。ナチスだって正義を謳ったんだから、正義って奴は判らない。悪者とは、どんなお題目を掲げていても人間の自由を奪う奴が悪者です。仮面ライダーは、我々人間の自由を奪う的に対し人間の自由を守るために戦うのです」

市川森一氏の項より。

この重要な基本コンセプトの発案者が石ノ森氏ではないというのは目からウロコ。ていうか市川氏の弁とするとなんとなく納得してしまう。
そういえば仮面ライダーというタイトル自体も誰が考えたか不明だそうな。

「脚本が悪くては監督やスタッフがどんなにがんばってもヒット番組はできない。しかし、どんなに良い脚本でも放映に間に合わなければ一文の値打ちも無い」
 そういえば、脚本という奴は、よく、遅れて、プロデューサーは現場から始終怒られていた。
 シナリオを完成させて製作部に渡すのはプロデューサーの責任だ。これが遅れてクランクインが遅れれば金銭的には一日百万円もの損害になる。だからプロデューサーは製作部から突きあげられ、必死でライターに督促する。
 伊上勝さんは、乗れば三十分も物六、七十枚の原稿を三時間で書き上げてしまう名人芸を持っていた。ペリカンの太字の万年筆でスイスイ書いていく。
 消すとか直すとか全くと言っていい程無い。鉛筆、消しゴムで、書いては消し、書いては消して、紙が破れちまう私などには神業に見えたものだ。

伊上勝氏の項より。親子ですなあ。


てな感じで。今特撮ニュータイプ東映ヒーローMAXなんかにスタッフのインタビューが載ってる平成ライダーの場合と比べてみるのも面白いかもしれないね。