妖怪大戦争

夏休みが終わる前に!

妖怪てんこもりの冒険ファミリームービーのイメージで行くと、多少肩すかし。
映像的には悪くないのだけど、主人公が後半置いてけ気味になってしまうのが残念。全体のテンポがよく、2時間という時間を感じさせないのはいいのだけど。
宣伝コピーにあった「日本のハリー・ポッター」とか「世界が神木隆之介を知る」みたいな部分は納得出来るし、神木少年の演技力には素直に感心。あとで合成されるCGのことを考えた動きやら顔の表情やらはたしかに子役離れしている。つか声がかわいくて萌え。


三池崇史監督らしい恐怖映画めいた前半や(前半で後ろで観てた子供が泣いちゃうくらい)、CGの妖怪とコスプレの妖怪を混成させつつも統一感があるとか、デザイナーが何人もいるのにトータルのビジュアルイメージが優秀されている点なんかはすごく評価出来るのだけど、おそらくいじられすぎてボケたシナリオのせいで失敗作にみられてしまいそう。連発される気の抜けたギャグは子供はけっこうウケてたし嫌いじゃないよ。というかこういうノリの作品に本当はしたかったのかも。
オチも含めてもう少し少年冒険映画っぽくしておけば観客のウケも良かったのだろうけど、水木しげるの作品てもともとそういうマッチョな冒険譚とは全然違うからなあ。もうちょっと客側に媚びても良かったのかもしれない。


というより実は加藤との決着の部分だけで評価の大半を決められちゃっているのではないかと思う。他はおいといてもそこだけ締めておけばもう少し見られるものになってたと思うのだけど……。
ファミリームービーって何かしら子供に説教出来るわかりやすい要素がないとダメなのよね。蛇足と言われるエピローグが実は教訓になっているのだけど、読み取れない観客を批難するわけにもいくまい。結局のところ観客が求めるものは単純なものなのだ。が、常に観客を正義とするのはあまりにも貧しいと思う。


それはそうと三池監督はウルトラマンマックス撮るんだよね。うはー超楽しみ。
予算が違うのはしょうがないにせよ、こんなテイストのウルトラマンが観られると思うといまからハアハアですよ。



ところでよみうりランドのお化け屋敷(http://www.yomiuriland.co.jp/site001//public/080.html)が今妖怪大戦争バージョンになってて、先週覗いて観たのだけど普段行ってないからどこが違うやら。とりあえず入り口のところに麒麟送子の剣が置いてあるのはわかったけど。
中はコスプレしたお姉さんが脅かしてくれるのだけど、こちらももっとちゃんとリアクションするべきだったかなあとちょっと考える。向こうもプロだから真剣勝負するべきだと言われればそれまでなんだけどね。


大人になるとお化け屋敷で怖がることってないのだけど、去年西武園ゆうえんちで入ったお化け屋敷の、真っ暗闇の部屋はホントに怖かった。
大人になると怖いものがなくなるのではなく、本当に怖いところに行かなくなる知恵がつくだけの話なのかもしれない。
純粋な暗闇って心理学で感覚遮断実験されてるとおり洗脳のテクニックのひとつなわけで、それを怖がるのは別におかしくはないのだよな。今でも西武園のお化け屋敷は同じつくりだとすると、気になるあの子を洗脳GO!ですよ。