誰が教育を滅ぼしたか 学校、家族を蝕む怪しき思想
- 作者: 八木秀次
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2001/04
- メディア: 単行本
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保守論壇の若手八木秀次氏の論文集。
教育の問題を中心にゆとり教育、ジェンダーフリー、人権教育のおかしな部分を斬りまくる。
2001年の本なので2000年ころの話題が中心なのだけど、今でも状況はあまり変わってない印象。
子供の頃に教えておくべきことを先送りにする生涯学習を是と「ゆとり教育」や、女性が母であることを捨てさせ労働に向かわせようとする「ジェンダーフリー運動」の危うさをいくつもの事例を挙げて紹介。さすがにこれだけおかしければ普通変だと思うだろうけど、親は子供の教科書を読むことはないから気づかないということなのだろうな。30年も前の教育書を今でも通じる!と持ち上げたりするとおかしなことになる。
それこそ最近のゆとり教育の見直しも、「円周率が3」とか新聞で取り上げられなかったら誰も気がつかないまま進行していたのかもしれん。
こういうのに賛同する人は自分に都合が良いところばかり見ているわけで、その裏にある危うさを見抜けないのだな。というより子供の頃からそう教育されると感覚が働かなくなるのか。ゆとり教育の遂行者寺脇研本人に子供がいないっていうのはトリビア?
片親の子は非行率が多いというのはデータがあっても論ずること自体がタブーにされてしまうとか、今のジェンダーフリーは女性の社会進出というより女性を労働者として働かせるためのマルクス思想に影響されているとかは注目すべき内容。
結局のところ教育というのは理想だけを見てとんちんかんなことをするより現実を見て先を考えた行動をするべきというごく当たり前のことを言っているのだな。