クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ

http://www.shinchan-movie.com/

GW前にとっとと観に行きました。ガラガラ。


といっても映画の方はシリーズ屈指の出来だと思う。

劇場版ということでいつもの数倍もの密度で描かれた春日部の町、事件の発端となるカスカベ座から映画の中への導入は、いつもの軽快なつかみと共にスムーズで緊張感のある展開。

一転して映画のなかの荒涼とした砂漠、圧倒的な広さを感じさせる音響と美術は、登場人物と同じく自分も映画の中に入ったようなメタな感覚で、映画館で観る意味を感じさせるシーン。


それからはしんちゃん達が映画の世界から抜け出るためにあれこれ手を尽くすのだが、今回は自分自身の意志すらおぼつかなくなる「忘却」という敵と戦い続けるというどシリアスな展開。
もちろんくすぐりのようなギャグもあるのだけど徹底して抑えた展開は前回飛ばしすぎて後半息切れした水島監督の反省から来てるのだろう。
子供がだれそうでちょっと心配になった。

が、中盤に映画から抜け出る方法を発見するシーンのカタルシス。そしてそのあとの畳みかけるような展開は前半のタメを一気にぶっ飛ばす、水島監督の力量が炸裂する展開!は今までのシリーズ一だと思う。
その内容は君の目で確かめてくれ!



自分の夢、自分の意志を日常に埋没させるなという強いメッセージは、シリアスな展開もあって今までのシリーズと比べて非常にテーマ性が強い作品かもしれない。

原監督のシリーズと比べて劣ると思ってる人はそういうことを考えて見るとまた全然違った評価になるんじゃないかな。
ていうか後期原2作品を褒めてるのっておじさん世代でしょ。読み取れ!



もちろんそういうのを抜きにしても万人におすすめできるエンターテイメント作品として楽しめるし、アニメオタク映画オタクも見ておいて損はない。
小林修と大筭周夫と小林清と…みたいな。わからない人はこれで予習しておこう。ISBN:4380952681
もちろん知らなくても楽しめるぞ。
これまたスペインで大受けするだろうなー。

今回はヒロインが斎藤彩夏でめろめろですよ。地声がこんなかわいい声の生き物は他にいないんじゃないだろか。
切なさ炸裂。


ただエンディングはもっとちゃんとした人に歌ってほしかったなーというのが正直な感想。
そこだけマイナスかな。お祭りというのはわかるけど…。



でもまたクレしん映画はどこに行くのか?という問題に突き当たってるような気がするなあ。
個人的には大満足なのだけど。

他の人の反応がみたいのでもう一回混んでる映画館に観に行きたいところ。