神は沈黙せず　山本弘

久しぶりにＳＦ読んだ。
世界の超常現象について「合理的」な説明をしているのにビックリ。と学会の会長らしくスキのない説明には頭が下がる。
転じて後半は小松左京ばりのシミュレーションＳＦに。読んでて久しぶりにゾクゾクする感覚を覚えた。

たしかに事例の引用が多かったり作者の主張が多かったりもするけどそれもディティールと思えば腹も立たない。自分の中にあるイデオロギーを再確認すればいい。

人間はそれだけ愚かで、世の中は不条理で、神様なんて信用できない。それを言うための引用、シナリオ、キャラクター。そういう小説。

ＳＦファンのみならずオカルトファン、ＵＦＯファン、宗教家、哲学者、政治家、インターネットを楽しむ一般人にも読んでもらいたい本だ。

少なくともこれを間違いと言いきれないのは自分が物証で超常現象を見たことがあるせいかもしれない。
考えさせられる事が多ければそれはいい本なのだ。