岡田斗司夫 最新コメント

http://putikuri.way-nifty.com/blog/2006/05/post_78fa.html#comments

オタク・イズ・デッドの感想や、それ読んでの孫感想を見ました。
イベントに直接来た人はともかく、来てない人がレポートだけ読んで、自分のブログに「岡田はこう言ったそうだけど」と書いた上で、それに反論したり納得したり。
も〜、みんなオッチョコチョイさんだね(笑)
「ぼくたちの洗脳社会」でも「情報社会とは、ソース情報が流通する社会ではなく、情報に対する解釈が流通する社会だ」と書いたけど、まさにそのへんを実感しました。


イベントに来てない人にはわかりにくいだろうけど、僕が定義するようなオタクが少なくなったのが問題じゃない。
そんなのは単なる「時代の趨勢」だよね。
「時代の趨勢」というのは原因から結果へとめぐる「歴史的必然」であって、それを悲しむような懐古趣味はあいにく持ち合わせていない。
最初の著作「ぼくたちの洗脳社会」から一貫して僕のスタンスは「来る時代、拒まず」だ。


僕は先日のイベントでひとことも「最近のオタクはダメだ」とか「いまのアニメはつまらない」とか言ってない。
「昔のようなオタクが減ったのはケシカラン」とも言ってない。
そのように受け取った人がいても、それはその人の「理解の限界」であって、それに反発されたり賛同されても困るばかりですよ。


また、イベント中に定義した「オタクとは」というのも、「僕はこう考えてるけど、もちろん君たちとは違うでしょ?」という基準線でしかなく、いわゆる系論の一部だ。
重要な本論は「貴族→エリート→アイデンティティ」という流れの変化そのものであり、問題の本質は「共通文化への忠誠心を含む、同族意識の淡泊化」なんだけどね。


インディアンや在日韓国人の例を出して説明したんだけど、そのところをレポートした人がほとんどいないのが残念。
でも、あの部分こそが「なぜオタクが死んだ、といえるのか」のキモのはずだよ。


ま、イベントでは言うべきことは言ったから、いいや。
しんどかったけど、楽しかったです。
夏コミで同人誌として出すので、興味ある人は読んでください。


でもあんな少人数のイベントなのに、ブログでいろんな人が語っているのは驚いた。自分で言ったことなんだけど、本当に「オタクであること」がアイデンティティである人たちがこんなにも多くいる、ということなんだろうね。

出来の悪い聴講生でごめんよー。
にしても書籍化って同人誌なのか。一般誌として流通させていろんな文化人の反応を読んでみたいのになあ。

 岡田氏のコメントを読んで

というわけでオタキングからの最新コメント、あれは最低でも会場にいた人じゃないと書けないし、間違いなく本人だと思います。


→ Mixiの日記で本人が書いたものに加筆訂正したもので、コメント欄に書くことも本人が宣言していたそうです。


オタクをインディアンになぞらえてたのは本当。インディアン(ネイティブアメリカン)は今も居るけど、あれは僕たちのイメージするインディアンじゃないでしょ、ということを確かに言ってました。
つーか「オタクは死にました」とか第3部のインパクトが強くって。岡田氏がキモと言ってたことがレポから抜けちゃったのは俺のせいです。
たとえを使ってたのは覚えてるけど「共通文化への忠誠心を含む、同族意識の淡泊化」って言葉自体は使ってなかったはず。覚えてなかったのは、他のところが面白すぎたせいだと思う。


確かに実際に参加した人のブログでも、岡田氏の言うキモを書いてないひとばかりだったりして。やっぱりオタクイズデッドという言葉に強い印象ありすぎたのかも。記憶は個々人の脳内でブレンドされてくもんだしね。


実際に参加した人のブログを探してみた。
・電源を入れてください〜都市ノォト〜
http://buchi21.blog64.fc2.com/blog-entry-76.html
桀紂
http://d.hatena.ne.jp/AKIYOSHI/20060525
・オタクの目
http://d.hatena.ne.jp/ADAKEN/20060525/1148484907
・くじら日記
http://hoel.seesaa.net/article/18421648.html
・kanonminaseの日記
http://d.hatena.ne.jp/kanonminase/20060526
・からくり旅団日誌
http://d.hatena.ne.jp/karakuriShino/20060525

文化を守るのは本当に難しいからだ。

たとえば幼少時の風景を守ろうとして、道路や空港やダム建設を食い止めることに人生を捧げることを想像してほしい。

以上を表現して、「インディアンの子孫はいるけどインディアンはもういない」まさに至言である。

アーミッシュとか、在日朝鮮の方のように、他者との間に強固な障壁を築かない限り、その精神は死ぬといった意味だったのだ。

これが何を引き起こすのか。

もはや誰も代弁者はいない。後は自分で自分を切り盛りしていくしかない、といった指摘。

自分の好きなことは自分で守らねばならないし、誰かが伝えてくれるわけでも伝えられるわけでもない。

よってプチクリという概念にたどり着いたのだという告白。

正直こちらの方のレポートが一番良くまとまってるし、こっちがニュースサイトに紹介されていたらまるで違った反応になったのかもしれん。
・ゾゾコラ
http://d.hatena.ne.jp/zozo_mix/20060527#1148745190
当日の講義(?)内容がほぼ完全にレジュメにまとまってます。オススメ!
これを読めば当日の内容が大変よくわかる……つーかウチがニュースサイトに取り上げられた理由って単に質より早さなんだなあと痛感。
同人誌生活文化総合研究所
http://www.st.rim.or.jp/~nmisaki/
同じテーブルに居合わせた口の悪い事で有名な某ライターって誰なんだろー。


Mixiのほうはわかりません。誰かおせーて。


ただ第3部で声を詰まらせてたのはパフォーマンスじゃあなくてガチなんだと思う。
もちろん岡田氏に躁鬱の気があるのは氏の日記でもときどき書いてあるから、しゃべってるうちに自分の言葉に酔っちゃった、というのはあるのかもしれない。



それにしても今回リンクやトラバされてカウンタがすごいことになったのはいいけど、伝言ゲームになっちゃってるところがあってなんとも。20分号泣って書いてるとこもあったしなー。俺そんなこと書いてませんから。号泣するオタキング、というのもそれはそれで見てみたい気もするけど。
あとさっそく世代分けのところの文章がモーオタの世代分類に改竄されてネットに出回ってたのがちょっと面白かった。
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1148674300/


あと企画ではトークバトル形式になる予定もあったらしく。それはそれで面白くなりそうな感じ。つーかここ2、3日のネット議論だけでももうおなかいっぱいですがー。
http://d.hatena.ne.jp/derorinman/20060527/1148715704



今回こうして岡田氏自身からコメントが出たけど、べつにそれでここ2、3日みんなが熱く語り合ってた内容が無効になるわけじゃないし、いーんじゃないでしょーか。
ここのコメント欄も、トラバしてくれた先のブログも、この話題でオタクについて考え直してみた人のブログも、どの文章もすごく面白かったし、熱い思いが迸っててキラキラしていたよ。書いてるほうも、ルーチンワークでアニメ感想書いてるときよりもずっと面白かったんじゃないかな。


書籍版オタク is Deadが早く出ないかなあ。実際に岡田氏がしゃべってた内容は君の目で確かみてみろ!*1としか言えないよ。
ちなみにゲスト寄稿、切通理作は確定っぽい。
http://d.hatena.ne.jp/PaPeRo/20060523
本田透とかも書くのだろーか。


ネットではいろいろ叩かれてるけどけど岡田氏のオタク論はブレてないし、そこに筋が通っている以上、「最近の流行りについていけないだけ」という批判は的外れだと思うのだ。

 どうも一般の人は、ただ単にアニメや特撮やゲームが好きな人間を「オタク」と思っているようだ。しかしその手のものがどんなに好きであっても、それだけの人は「オタク」とは言えない。それは単なる「ファン」だ。「ファン」が「オタク」になるためには、天文学的な経済的、時間的、知性的投資を必要とする。

http://www.netcity.or.jp/OTAKU/okada/library/priodical/mayoimichi/TVBROS1.html
◆『オタクの迷い道』#3 人は誰もがオタクになれるわけではない
95年の記事。


このイベントのきっかけになった去年のアキバ王選手権のときの出演者に対する岡田氏のコメントも確かにそんな内容だった。
http://d.hatena.ne.jp/kasindou/20050915#p2



結局岡田氏が拘っているのはアウトプットの問題だと思うんだよね。「これが好きです!嫌いです!以上。」ではバカと呼ばれてもしょうがない気がするし、東浩紀動物化と書いたのも同じことなのではないか。
自己完結だけの単なるファンであることをを越えて、自分が楽しいという思いを他人に分け与えたいという情熱、他人を楽しませようとする心が大事なんだと思う。それがオタク=プチクリ

チラシの裏ブログもいいけれど、文章は常に他人に向かって書けと言うぜ!*2


個々にコメント返信をするのは諦めました。ごめんなさい。

*1:このギャグが通じないのも世代の差になるのだろうか。ザンギュラってわかる?

*2:そういえば唐沢俊一氏も「最近のライターは身内に向けたものを書いてばかりで……」って愚痴ってたなあ